雪の中を訪ねた甲斐があった長さ8.5mの横穴式石室!
 上田駅に降りた午後1時半ごろ、だいぶ雪は小降りでしたが、行きかう車の上は厚さ10㎝ほど積もっていて、やはりねと覚悟を決めました。古墳歩きをはじめて10年以上経ちますが、大雪に見舞われたことはなく、そのことのほうがラッキーだったのかもしれません。その後のスケジュールも決まっていたので、是が非でも古墳に到達せねばと、少々、焦ります。多くの方がタクシーに行列していましたが、ほどなく順番が周ってきました。しかしこれからが問題です。 赤坂将軍塚古墳のある上田市殿城に降雪の中タクシーは送り届けてくれるのだろうか。そもそも、通常の天候でも、古墳の場所を知っているタクシードライバーは少ないのです。案の定、古墳の場所は分からないものの、殿城にはいけるというので一安心。聞けば、ガイドの経験もあるドライバーさんでした。上田市の史跡指定を受けている古墳なんですと強調したものの、やはり古墳ワールドはマイナーなようです。
 殿城は上田駅から北東方向に5km ほど。古墳時代も流れていただろうなと思った神川を渡り、次第に山間の道に入ると、伝えていた「住所はこの辺りですが」とドライバーさんの声。「ウーン」と住宅が立ち並ぶ中を見渡してみると、一角だけ住宅がなく平地。その先に、何やら大きな雪像のような物体と石柱が見えました。「あれですよ。アレに違いない」と私。  ところが、雪は10㎝以上も積もっていて、真っ白のカーペット状態。すぐそこの古墳 まで、どんな落とし穴があるかわかりません。そこで、おそらくは人が通っていただろうところを探りながら近づき、ようやく、古墳へ。径17-8m、高さ5mの円墳です。ところが開口部はさらに左側。やむなく、南にまわって、開口部に向かうことにしました。
 開口部を正面にすると、上田市のHP掲載の赤坂将軍塚古墳のまさに、その画像と同じ光景が飛び込んできました。特徴ある上下二段の開口部です。ここからはいつものペース。ドキドキしながら接近します。そして、いつもながら、その空間の広がりに驚かされました。全体で長さ8.5mとのことですが、ずっと広々。羨道は幅1.3m、長さ3.5m、動画を見返してみても幅はもっとある気がします。玄室は、長さ5m、幅1.9m(奥壁)、2.35m(中央)、高さ2.9mです。この数字からも胴張り型の玄室ということがわかります。奥壁は巨石2段積み。持ち送りはあまりありません。玄室幅>羨道幅ですから両袖式です。側壁は一部巨石を使い、大半は中型石材の多段積み。平らな面の石を選んでいます。袖は割石を積んでいます。天井石は巨石4枚です。  
 肝心の正面から見て二つの開口部に見えたあれは・・・。まぐさ石の上に、さらに石材を渡していることがわかりました。でも、なぜ空が見えるのか?最初からこの造りだったのか?それとも、後世、石材が抜かれたものなのか、よくわかりませんね。盗掘がきっかけなのか、早くから開口しているために副葬品は明らかではないそうです。土器の破片など期待できそうな発掘調査も行われていません。  雪に見舞われた赤坂将軍塚古墳訪問でしたが、石室はなかなか見応えがありました。ただ、タクシーのドライバーさんによれば、この地区、24年夏にクマが出没したそうで、これからお出かけの方は十分注意されてください(2025年3月初旬訪問)。 PNG 赤坂将軍塚古墳石室イメージ図
PNG 赤坂将軍塚古墳(上田市)3D所在地マップ
PNG 赤坂将軍塚古墳所在地マップ広域
PNG 赤坂将軍塚古墳所在地マップ
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