日本最古の金石文として知られる国宝の銅鏡(人物画像鏡)は、この隅田八幡神社に代々伝わるものです(だそうです)。現物は東京国立博物館が所蔵しているようで現地で見学することはできません。それはともかく、古墳ファンにとってこの神社が所有する古墳石室は見逃したら損という逸品です。和歌山というと緑泥片岩の割石を丁寧に積んだ岩橋千塚古墳群(国の特別史跡)の石室が有名ですが、整美な切石でできた石室も、今回の隅田八幡宮古墳、御坊市の岩内1号墳(未だアップしていません)と2基あるようです(わかやまの古墳ガイド、2022,ニュース和歌山株式会社)。そしてこの古墳、変形していますが元は径16mの円墳とみられ、造られたのは7C初頭と推測されています。
先輩諸氏のブログから、見つけるのは難しいということはわかっていましたが、それにしてもという感じでした。神社の駐車場から見える大木の下にあるという情報を頼りに、神社を見ながら裏側にまわったまではよかったのですが、うっとうしい藪と雑木。あの大木の下に古墳があるとわかっていても、どのように行き着くかしばし考えました。結局、足もとに注意しながら、ゆっくり藪をかき分けながら近づくことにしました。こういう藪の中は、思わぬところに陥没があったり用水路が隠れていることがあり、細心の注意が必要です。でも、はじめからガイドされて石室だけを見るというよりは、このようなところにこそ、古墳巡りの醍醐味があります。そしてついに石室前の天井石らしき巨石を発見。近づいてみると、結構な大きさの口が開いていました。そこから滑り込むように入室して、びっくり。当時の技術の粋を凝らしたのではないかと思われる切石の複雑な石積みが迎えてくれました。岩屋山古墳のような平滑された巨石の切石ではありませんが、かなり凝った印象です。これで羨道が完存していればと心底思いました(撮影2024年3月初旬)。







