人塚古墳・尼塚古墳(リニューアル統合版)(クリック)の回で触れたように、開発され戸建ての住宅が立ち並ぶ一角に、西条古墳群は残されています。その盟主墳である今回の行者塚古墳は墳長99mの堂々たる前方後円墳で、周辺よりも一段と高い後円部頂からは北西2㎞ほどを流れる加古川方面を見下ろすことができます。google mapからは開発される前、西条古墳群が築かれた一帯は丘陵であったことに気づかされました。これは当時、さほどの印象はなかったのですが、再度編集を行っているうちの再発見でした。行者塚古墳 発掘調査概報(加古川市教育委員会、1997)によれば、行者塚古墳は人塚古墳、尼塚古墳よりも一段と高いところに築かれているようです。 ただ、ぎりぎりまで住宅が墳丘を取り囲んでいて遠くから墳丘全体をカメラに収めることができません。加えて墳丘上の雑木が古墳の姿を覆い隠してしまっているのも残念です。尼塚古墳のように墳丘上の雑木を伐採してもらえるとありがたいのですが・・・。とはいえ、後円部頂上からは3基の粘土槨と副葬品箱が確認され、そこからは貴重な金銅製帯金具、鉄鏃等多数出土しています。嬉しいことに加古川総合文化センターで見学可能です。 もう一つ興味深いのはイメージ図のように前方後円墳のくびれ、後円部に2か所づつの造出しが設けられていることです。数多くの古墳を見てきましたが、これほど多くの造出しがある墳丘ははじめてです。嬉しいことに西造出しは、葺石が葺かれた台形状の部分を含め、当時の様子を発掘調査に基づき復元されています。方形状に並べられた円筒埴輪のなかには、家形埴輪が数戸並び、献器でしょうか土器が置かれています。方形は単に四角ではなく、動画でおわかりのようにずれており(隙間がある)、報告書によれば、そこから中に入ることにしたのではないかと推察しています。こうしたことも正確に再現した非常に興味深い造出しです。後円部の造出しは、そこに築かれていたことがわかるように成形されており、なるほどと思いました(撮影2018年3月13日、2014年12月4日)。


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