今回紹介するのは静岡県静岡市の谷津山山頂にある墳長110mの前方後円墳、谷津山古墳です。柚木(ゆのき)山神(やまのかみ)古墳ともいわれています。静岡平野のど真ん中に位置する谷津山は標高108mしかありませんが、動画からも確認できるように市内は勿論、その先に駿河湾が目に入ります。古墳の被葬者はこうした眺望を独占できる有力者だったのでしょう。葺石を貼った三段築成の古墳ですから、築造にも多くの人力が必要だったはずで、その権力の大きさが想像できます。勿論、そのことは紹介してきた古墳全てに言えますが、敢えて繰り返したのは、静岡鉄道の柚木駅の裏手から目指した山頂まではとても108mの低山とは思えない急坂が続き、息が切れたからです。尾根にへばりついた径70mをはかる後円部の裾からは前方部を見るのに苦労するほどです。「よくぞこの狭い山頂に・・・」と思わざるを得ません。いったいどのような人々が築造にかかわったのでしょうか。

明治期に盗掘にあった埋葬施設は竪穴石室で木棺が用いられていたようですが詳細はわからないそうです(静岡・清水平野の古墳時代、静岡市立登呂博物館、1990)。もっとも銅鏡の破片、銅鏃、鉄鏃、鉄剣、砥石等の石製品が出土したと記録されています。

静岡鉄道柚木駅の改札を出てすぐの日本通運裏側の鳥居をくぐり山頂を目指します。20分ほどです。

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所在地 静岡県静岡市葵区柚木

形状 前方後円墳

規模 墳長110m、後円部径70m 高さ9m、前方部幅45m 高さ8m

築造時期 4C

出土品 銅鏡の破片、銅鏃、鉄鏃、鉄剣、砥石、紡錘車等の石製品

史跡指定 なし

特記事項 旧駿河国の領域では最大の古墳