このブログでは陵墓について批判的に書いてきました。本格的な刈り込みもなされず自然のままに放置された(敢えてそうしているのでしょうが)墳丘は、よほど関心のある人がみなければ前方後円墳ということはおろか古墳ということすらわかりません。そのことは(20161123日の記事 遠くから墳丘の見える大型前方後円墳(1)でも書いたとおりです。とはいえその自然に任せるままの陵墓でもお気に入りはあります。既にアップしたものでは宝来山古墳、すなわち垂仁天皇陵(宝来山古墳)として宮内庁が治定している墳長227mの前方後円墳は、幅の広い周濠のなかに堂々とした墳丘が印象的です(クリックすれば飛べます)。今回の崇神天皇陵(行燈山古墳)はそれに負けず劣らずの雄姿を見せてくれます。箸墓古墳の築造にはじまるオオヤマト古墳群に属する6基の内、メスリ山古墳(クリックすれば飛べます)に次いで5番目に造られたと考えられています。

惹かれた理由ですが一つにはそこにあるのはわかっているのになかなか到達できないという気分の高まりがこの古墳には感じられるということです。崇神陵はJR桜井線の柳本駅から西に一直線500mほど歩き県道169号線を渡ってすぐのところに位置します。ところが目の前にあるのは急な石段。それを登らなければ周濠に浮かぶ墳丘を見ることはできないのです。ようやく拝所に立ってみると・・・。拝所の高さまで濠がありその先に動画1でみる前方部が広がっています。そう柳本駅方向に下がる丘陵の斜面に崇神天皇陵は築かれているのです。そのために動画2に登場する渡堤も周濠内に水が溜まるように造られたようです。動画からは残念ながら墳丘を確認するまでのドキドキ感は伝わってきません。

惹かれた理由の二つは周囲に古墳を遮るものがまったくといってよいほどないことです。自然の森にしか見えない墳丘は周囲と調和しています。山の辺の道沿いにあることからもそこのこはわかります。三つめは墳長230mの古墳をみながら周濠沿いに一周できることです。陵墓で墳丘を見ながら一周できるところは多くはありません。後円部東側にはいずれ紹介する双方中円墳という珍しい櫛山古墳が並ぶように造られているのも一興です。江戸時代に周濠北側をはじめ改変されているそうですが、私にとり古墳の価値を減じるものではありません。それよりも陵墓のために学術的調査は行われていないことが気にかかります。動画3ではあまり知られていない2基の陪塚(アンド山、南アンド山)を紹介しています。陪塚といっても墳長はそれぞれ120m65mを誇ります。崇神天皇陵と同じ頃4C前半に造られたと考えられています。アクセスは柳本駅から東に徒歩で10分ほど。非常にわかりやすいです(撮影20151013日、28日、2016118日)。PNG sujintennouryou zu