あいにくの雨模様のなか、JR琵琶湖線の南草津駅に降り立ってびっくりしたのは、西口の広場を囲むように高層のホテルやオフィスビルが建ち並んでいることでした。ここから1㎞ほど西に果たして古墳が残されているのだろうか。心配でしたが、ほどなく杞憂に終わりました。開発が進み、高層ビル、オフィスビルがあるのは駅周辺だけ。500mも歩くと低層の住宅の間で開発が進められ、その間に、新興住宅地特有の現象、量販店が立ち並びます。ということは開発されてしまって、期待する光景は、もはや見られないのではとまたまた不安がつのります。実は草津市は京阪神に近いこともあり、滋賀県のなかでも人口が増加している地域なのです。
記憶が定かではないのですが、ネットで以前みた南笠古墳群の光景は、田畑に囲まれた2基の可愛らしい前方後円墳でした。 幸いにして、古墳群の前の田畑は開発前なのでしょうか整地され駐車場になっていました。ご覧の冒頭の光景です。しかし、万事休す。数年のうちに古墳は残るものの、古墳を板囲いするように住宅が立ち並ぶのでしょうね。これまでも歴史的遺産は開発の波にもまれてきましたが、その波を押しとどめることは難しそうです。電話で話を聞いた草津市の担当者は淡々と、史跡指定外については、何もこちらではできませんとの返事でした。それはそうでしょうが。草津市には2019年にまとめた草津市歴史文化基本構想もあることだし、周辺の景観を含め何とかならないのでしょうかと思いつつ現地をあとにしました(撮影2022年4月末)。
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