墳丘が目視できない東京都最大の残念な前方後円墳
最初にアップしたのは2018年2月ですから、今から5年以上前になります。先日、久しぶりに現状はどうか見てきましたが、樹木が生い茂り、中の藪状態は全く変わらず、いや、若干ひどくなったという印象でした。というのも、動画でお分かりのように2018年の時には、かろうじて目を凝らせば、墳丘が見えましたが、季節がやや早かったせいか、墳丘をいくつも見てきた私でも、その形を想像することは至難の業でした。おそらく、古墳の前を通り過ぎる多くの人々も、ここが長さ100mを超える、東京都最大の前方後円墳であることに気がつかないのではないでしょうか。 古墳を歩き始めて12年ほど経ち、数多くの前方後円墳をはじめとして古墳を見てきましたが、墳丘が藪に包まれ見えないという点では、いわゆる歴代の天皇が眠るとされる陵墓以外では、この亀甲山古墳は断然第一位です。文化財保護法では、保存と同時に公開がうたわれ、近年では地域振興の観点も重要であることが指摘されるようになりました。ましてや国の史跡。国の史跡でも、木々が伐採され、その本来の姿の一端がうかがえる前方後円墳は数多くあります。そして、墳丘に上り、観察することができます。亀甲山古墳のようにフェンスに囲まれ、中は樹木と藪に覆われているというのは、類例を探すのに困難なのです。 亀甲山古墳の立ち入りを禁止する立札には、驚くことに「文化財(国の史跡)なので学術調査及び管理上必要な方以外は入れません」と書かれています。本来は公開が原則なのだから、仮に立ち入り禁止にするにせよ別の理由(墳丘に隣接して一般住宅があるなど)が書かれるべきではないでしょうか。それに対しても反論は十分可能です。全国には古墳間近まで住宅が迫っているにもかかわらず、墳丘への登頂を認めているところはいくらでもあるからです。一例は世界遺産に登録された百舌鳥・古市古墳群に属する長さ100mを超える大鳥塚古墳(クリック)はご覧のように、木々は残しつつも、墳丘は前方後円墳ということがよくわかりますし、自由に見学が可能です。とはいえ、亀甲山古墳の場合、墳丘に見学者が上り、住宅を見下ろされたら困るという苦情が出るとも限りません。そこで木々の伐採は多摩川に面している側を中心にして行い、墳丘への立ち入りは特別公開などの期間限定などが考えられるのではないでしょうか。要は、この貴重な文化財を、できるだけ墳丘がわかるように整備して、大田区民はじめ人々に一見してわかるようにすることが大切に思われるのです。
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最初にアップしたのは2018年2月ですから、今から5年以上前になります。先日、久しぶりに現状はどうか見てきましたが、樹木が生い茂り、中の藪状態は全く変わらず、いや、若干ひどくなったという印象でした。というのも、動画でお分かりのように2018年の時には、かろうじて目を凝らせば、墳丘が見えましたが、季節がやや早かったせいか、墳丘をいくつも見てきた私でも、その形を想像することは至難の業でした。おそらく、古墳の前を通り過ぎる多くの人々も、ここが長さ100mを超える、東京都最大の前方後円墳であることに気がつかないのではないでしょうか。 古墳を歩き始めて12年ほど経ち、数多くの前方後円墳をはじめとして古墳を見てきましたが、墳丘が藪に包まれ見えないという点では、いわゆる歴代の天皇が眠るとされる陵墓以外では、この亀甲山古墳は断然第一位です。文化財保護法では、保存と同時に公開がうたわれ、近年では地域振興の観点も重要であることが指摘されるようになりました。ましてや国の史跡。国の史跡でも、木々が伐採され、その本来の姿の一端がうかがえる前方後円墳は数多くあります。そして、墳丘に上り、観察することができます。亀甲山古墳のようにフェンスに囲まれ、中は樹木と藪に覆われているというのは、類例を探すのに困難なのです。 亀甲山古墳の立ち入りを禁止する立札には、驚くことに「文化財(国の史跡)なので学術調査及び管理上必要な方以外は入れません」と書かれています。本来は公開が原則なのだから、仮に立ち入り禁止にするにせよ別の理由(墳丘に隣接して一般住宅があるなど)が書かれるべきではないでしょうか。それに対しても反論は十分可能です。全国には古墳間近まで住宅が迫っているにもかかわらず、墳丘への登頂を認めているところはいくらでもあるからです。一例は世界遺産に登録された百舌鳥・古市古墳群に属する長さ100mを超える大鳥塚古墳(クリック)はご覧のように、木々は残しつつも、墳丘は前方後円墳ということがよくわかりますし、自由に見学が可能です。とはいえ、亀甲山古墳の場合、墳丘に見学者が上り、住宅を見下ろされたら困るという苦情が出るとも限りません。そこで木々の伐採は多摩川に面している側を中心にして行い、墳丘への立ち入りは特別公開などの期間限定などが考えられるのではないでしょうか。要は、この貴重な文化財を、できるだけ墳丘がわかるように整備して、大田区民はじめ人々に一見してわかるようにすることが大切に思われるのです。
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