今回の6C末に造られたと考えられている径12mの小さな円墳、天神洞古墳については情報が乏しいのが実情です。動画に見るように墳丘及び横穴石室は復元され小さな公園内に保存されています。わかっていることはこの辺り一帯は香貫(かぬき)九十塚といわれる古墳群があり、そのなかに天神洞が含まれています。1970年代に行われた土地区画整理に際しての三基の古墳が発掘調査され武器類やメノウ製勾玉装身具、土器類などが多数出土したことがわかっています。沼津市教育委員会の説明では天神洞古墳は、これらの発掘調査で明らかになった結果に基づき、おそらくこのような横穴石室をもった円墳が存在したであろうという想定の下に復元を行ったということでした。

 地域的に近く、また6C末と同じ頃に造られたと考えられる静岡県富士市の円墳、実円寺西古墳(クリックすれば飛べます)は径18m 奥行9.5mに対して、天神洞古墳は径12mに対して奥行4mに留まっています。この古墳群にはこの規模の円墳がいくつもある群集墳だったと考えられます。この規模からして古墳の造営が有力な豪族しか造られなかった時代から、下位レベルのより小さな地域を治める豪族、さらには上位の庶民上層部の者、家父長クラスにまで可能となったことを示すものといえるのではないでしょうか。アクセスは沼津駅から東海バス大平行きで中瀬バス停下車信号まで戻り山側に渡り入るとすぐです(撮影20161011日)。


天神洞古墳(香貫古墳群)基本データ

所在地 静岡県沼津市中瀬町

形状 円墳(復元)

規模 径12m 高さ2.3m 横穴石室 長さ4m 床近くの幅1m、天井近くの幅0.75m

築造時期 6C

出土品 武器類やメノウ製勾玉装身具、土器類など多数

史跡指定 なし

特記事項 本文に書いたように天神洞古墳は区画整理に伴う発掘調査の結果明らかとなった遺構等から想定復元された横穴石室のある円墳。




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