道路脇なのに見つけにくい長さ11.5mの石室
山畑古墳群訪問は今回で3度目。奈良県と大阪府の間の生駒山系の西側(大阪府側)に展開する群集墳で、高安古墳群とともに、よく知られた存在です(だそうです)。自分も古墳巡りをはじめてすぐに、博物館横で見学できる山畑22号墳を訪れています。ただ、近鉄奈良線の瓢箪山駅から古墳群への道のりが半端ではなくきつく、唯一12号墳だけ訪問できずにいました。比高差140mほどをのんびりではなく、急いで上るとなるとかなり大変です。とはいえ、意を決しての訪問。今回3度目の訪問は、天候には恵まれませんでしたが、まだ、紅葉まっさかり、黄色のイチョウや、真っ赤な紅葉が迎えてくれました。あいにく博物館は改修工事中でしたが、12号墳の場所を再度確認。それほど難しくなく、見つけられるとのことでした。ただ、長い間現地を見ているわけではないので、何ともいえませんがとのこと。一シーズン越すだけで、藪の様子はすっかり変わってしまうので、不安な気持ちには変わりありません。
動画冒頭のような博物館横の道は舗装されていて民家もあります。その先に、こんもりとした雑木と笹が生い茂った林があり、これ以前通ったよなと思いながらいったり来たり。とても墳丘の高まりには見えません。あとでわかりましたが、ここは石室のある墳丘の頂上が削平され、雑木林になっているところでした。ということは、この藪のなかに入れば、石室開口部が覗いているはずです。ただ、藪の中に入る道がありません。よくみると獣道のような踏み跡があり、これしかないと踏み入れましたが、雑草や笹に足をとられ前に進めません。その後の様子は動画でご覧頂きたいのですが、羨道の前半分の天井石が崩れ、現在の開口部が覗いていました。注意して下り、玄室を覗くと、いつもながら、びっくりの大きな石材を用いた空間が目の前にあらわれました。羨道も玄室近くはしっかりと残っていて、両者の広がりも確認できます。あれだけの藪にかかわらず、竹には浸食されていないようで、竹の根や茎が石室にぶらさがってはいません。残りはかなりよいようです。よくみると、左右の天井近くが、微妙に異なっていることに気が付きました。右側壁の天井近くの持ち送りが、左に比べ、大きいのです。これは土圧のせいではないような気がします。本来は、左右ほぼ同じの角度の持ち送りにするつもりが、なんらかの事情で、右側だけになったのかななどと考えてしまいました。それはともかく、奥壁側からみた開口部の様子、おわかりいただけると思いますが、かなり土砂が堆積し、このままでは早晩、塞がれてしまうのではないかと心配です。 いつか他の市の埋蔵文化財担当の方から、これらの土砂も文化財の一部、これを取り除くことは文化財保護法の趣旨から、できないとの話を聞いたことがありますが、そうなのでしょうか。文化財の活用という観点からは、近年の土砂の堆砂などはいいのではと思うのですが。いずれにせよ、山畑12号墳の訪問が叶い、これで山畑古墳群への訪問記は終わりです。お勧めはなんといっても上円下方墳ともいわれる山畑2号墳(クリック)ではないでしょうか(撮影2022年12月初旬)
にほんブログ村
山畑古墳群訪問は今回で3度目。奈良県と大阪府の間の生駒山系の西側(大阪府側)に展開する群集墳で、高安古墳群とともに、よく知られた存在です(だそうです)。自分も古墳巡りをはじめてすぐに、博物館横で見学できる山畑22号墳を訪れています。ただ、近鉄奈良線の瓢箪山駅から古墳群への道のりが半端ではなくきつく、唯一12号墳だけ訪問できずにいました。比高差140mほどをのんびりではなく、急いで上るとなるとかなり大変です。とはいえ、意を決しての訪問。今回3度目の訪問は、天候には恵まれませんでしたが、まだ、紅葉まっさかり、黄色のイチョウや、真っ赤な紅葉が迎えてくれました。あいにく博物館は改修工事中でしたが、12号墳の場所を再度確認。それほど難しくなく、見つけられるとのことでした。ただ、長い間現地を見ているわけではないので、何ともいえませんがとのこと。一シーズン越すだけで、藪の様子はすっかり変わってしまうので、不安な気持ちには変わりありません。
動画冒頭のような博物館横の道は舗装されていて民家もあります。その先に、こんもりとした雑木と笹が生い茂った林があり、これ以前通ったよなと思いながらいったり来たり。とても墳丘の高まりには見えません。あとでわかりましたが、ここは石室のある墳丘の頂上が削平され、雑木林になっているところでした。ということは、この藪のなかに入れば、石室開口部が覗いているはずです。ただ、藪の中に入る道がありません。よくみると獣道のような踏み跡があり、これしかないと踏み入れましたが、雑草や笹に足をとられ前に進めません。その後の様子は動画でご覧頂きたいのですが、羨道の前半分の天井石が崩れ、現在の開口部が覗いていました。注意して下り、玄室を覗くと、いつもながら、びっくりの大きな石材を用いた空間が目の前にあらわれました。羨道も玄室近くはしっかりと残っていて、両者の広がりも確認できます。あれだけの藪にかかわらず、竹には浸食されていないようで、竹の根や茎が石室にぶらさがってはいません。残りはかなりよいようです。よくみると、左右の天井近くが、微妙に異なっていることに気が付きました。右側壁の天井近くの持ち送りが、左に比べ、大きいのです。これは土圧のせいではないような気がします。本来は、左右ほぼ同じの角度の持ち送りにするつもりが、なんらかの事情で、右側だけになったのかななどと考えてしまいました。それはともかく、奥壁側からみた開口部の様子、おわかりいただけると思いますが、かなり土砂が堆積し、このままでは早晩、塞がれてしまうのではないかと心配です。 いつか他の市の埋蔵文化財担当の方から、これらの土砂も文化財の一部、これを取り除くことは文化財保護法の趣旨から、できないとの話を聞いたことがありますが、そうなのでしょうか。文化財の活用という観点からは、近年の土砂の堆砂などはいいのではと思うのですが。いずれにせよ、山畑12号墳の訪問が叶い、これで山畑古墳群への訪問記は終わりです。お勧めはなんといっても上円下方墳ともいわれる山畑2号墳(クリック)ではないでしょうか(撮影2022年12月初旬)
にほんブログ村