後室(玄室)全体が截石切組積み!
はじめて訪れたのが2015年の夏でしたから7年ぶりの再訪です。まだ古墳踏査をはじめて間もないということもあり、横穴石室の意味すらよくわかっていませんでした。その後、多くの石室を見学したこともあって、この石室の意義や魅力をあらためて再認識したところです。第一はやはりその巨大さです。比較される明日香村の石舞台古墳の石室は長さ19.1mですから、16.7mの八幡山古墳は一回り小さいとはいえ、十分に巨大です。第二に北九州を中心に複室構造の横穴石室は 数多く存在しますが、八幡山古墳のように前室、中室、後室の3室もある古墳は壱岐島の笹塚古墳、鬼の巌(いわや)古墳、掛木古墳など多くはありません。第三になんといっても、後室壁全体に広がる小型石材を用いた截石切組積みの見事さです。古墳時代も終末期に入ろうとする7C前半に造られたということですから、石材の加工技術も以前に比べ著しく向上していたということなのでしょう。こうした「凝った」造りの古墳に眠る被葬者は、相当地位の高い人物に違いなく、そのことは漆塗りの木棺片が出土していることからもわかります。もっとも、再訪してわかったのですが、スケルトン状の現在の姿は、墳丘の封土が土取りされた、その後出現したそのままの姿ではなく、土取りされたあとに残された石室の残骸から、おそらく築造当時の姿はこうであっただろうと考え、元の石材も使用しながら復元(発掘調査の後1979年に完成)したそうです。そうであったとしても、見事な復元古墳だと思います。是非、実際に見学されることをお勧めします。土日は自由に見学が可能です(2022年8月初旬)。
初回アップの際のブログはこちらです(クリック)。
にほんブログ村
はじめて訪れたのが2015年の夏でしたから7年ぶりの再訪です。まだ古墳踏査をはじめて間もないということもあり、横穴石室の意味すらよくわかっていませんでした。その後、多くの石室を見学したこともあって、この石室の意義や魅力をあらためて再認識したところです。第一はやはりその巨大さです。比較される明日香村の石舞台古墳の石室は長さ19.1mですから、16.7mの八幡山古墳は一回り小さいとはいえ、十分に巨大です。第二に北九州を中心に複室構造の横穴石室は 数多く存在しますが、八幡山古墳のように前室、中室、後室の3室もある古墳は壱岐島の笹塚古墳、鬼の巌(いわや)古墳、掛木古墳など多くはありません。第三になんといっても、後室壁全体に広がる小型石材を用いた截石切組積みの見事さです。古墳時代も終末期に入ろうとする7C前半に造られたということですから、石材の加工技術も以前に比べ著しく向上していたということなのでしょう。こうした「凝った」造りの古墳に眠る被葬者は、相当地位の高い人物に違いなく、そのことは漆塗りの木棺片が出土していることからもわかります。もっとも、再訪してわかったのですが、スケルトン状の現在の姿は、墳丘の封土が土取りされた、その後出現したそのままの姿ではなく、土取りされたあとに残された石室の残骸から、おそらく築造当時の姿はこうであっただろうと考え、元の石材も使用しながら復元(発掘調査の後1979年に完成)したそうです。そうであったとしても、見事な復元古墳だと思います。是非、実際に見学されることをお勧めします。土日は自由に見学が可能です(2022年8月初旬)。
初回アップの際のブログはこちらです(クリック)。
にほんブログ村