石室が観察できる大型の円墳
東武宇都宮線壬生駅から南に4kmほどのところに目指す古墳はありました。下野市の国分寺町にある7C前半、古墳時代終末期に造られたと考えられている円墳、丸塚古墳です。動画1からわかるように畑の先に古墳の一角だけ森が残され古墳マニアなら誰でも、あれは古墳に違いないという雰囲気を湛えています。壬生駅南方には今回の丸塚古墳、国分寺愛宕塚、栃木県で最大の前方後円墳吾妻古墳、有名な摩利支天塚古墳などが位置し、反対に北方の黒川沿いに牛塚、車塚、壬生愛宕塚古墳(いずれアップ)があります。栃木県の下野地域には、触れていない古墳を含め数多くの古墳があることに改めて驚かされました。
下野・壬生町周辺の古墳群(下野市教育委員会、壬生町教育委員会、2013)は栃木県の古墳群を河川別に整理してあって大変興味深い資料です。それによれば、黒川と姿川の合流点付近は5C末から古墳の築造がはじまり摩利支天塚で墳丘規模が格段に大きくなり、琵琶塚、吾妻(いずれアップ)と続き、最終段階の7C前半で今回の丸塚古墳が築かれます。古墳時代の終末期の石室に相応しく、前橋市総社町の宝塔山、蛇穴山古墳同様に石組加工の技術は現在でも通用すると思われる美しい出来栄えです。
アクセスは冒頭に書きましたように壬生駅から他の古墳をめぐることを考えれば徒歩が一番よいような気がします。私の場合は、駅に近い壬生城内にある歴史民俗資料館に寄り、午前中は駅を挟んで北側、午後は丸塚古墳、吾妻古墳等がある南側を歩きました(撮影2015年11月12日)。
丸塚古墳基本データ
所在地 栃木県下野市国分寺
形状 円墳
規模 径58m 高さ6m 横穴石室 長さ2.24m、幅1.64m、高さ2.10m
二段築成、周濠あり
築造時期 7C前半
出土品 不明
史跡指定 県指定
特記事項 なし
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