住宅街の一角に墳丘がよく残る前方後円墳
今回は千葉市央区の前期古墳、大覚寺山古墳を紹介します。5月18日アップの海老名市の秋葉山古墳群1号墳と同じ頃造られ、ともに前方後円墳です。東京湾を挟んで東西に位置しています。両古墳の関係性を示すものは何もありませんが、4C後半頃にこの地を支配していた豪族がそれぞれの前方後円墳に埋葬されたと考えても間違いではないでしょう。
なぜ大覚寺山なのかを調べてみました。古墳のある生実(おゆみ)町には浄土宗の大覚寺があり、このあたり一帯を昔から大覚寺山と呼んでいたからのようです。
想像以上に美しく整備保存された墳丘に驚きました。そもそも、長い間古墳とは気が付かれずに、住宅地開発の際に発見されたものだそうで、このあたり一帯が古墳の密集地であることも明らかになったそうです。丘の先端を利用して造られたと思われる古墳の後円部墳頂からは動画では白くしか映っていませんが千葉港を望むことができます。後円部から前方部をみると数字よりは幅も広く長くみえます。実際には全長63mに対して後円部径は45mです。前方部が短いことは明らかです。おそらく、築造当時から時が経ち墳丘が崩れ、地山と前方部の境が不明瞭になったのではないかと推察しました。
墳丘には段築はなく、葺石も施されていないそうです。埴輪もみられません。本格的発掘調査も行われておらず埋葬施設についても不明です。なお、以前は築造時期は5C代と考えられていたようですが、その後4C後半と考えられるようになり、現地説明板も修正が行われています。
アクセスはJR千葉駅から小湊バス明徳学園行で表台で下車、徒歩5分です。バスはおよそ一時間に1本です(撮影日2015年11月16日)。
大覚寺山古墳データ
所在地 千葉県千葉市中央区
形状 前方後円墳
規模 墳長 63m、後円部径45m 高さ5.5m、前方部幅33m、高さ4.1m
築造時期 4C後
出土品 不明
史跡指定 県指定
特記事項 なし
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