企業所有地にある開かれた古墳
今回は古墳マニアの間でもあまり知られていない横穴石室のある古墳時代後期の6C中頃に築造された前方後円墳を紹介しましょう。それは福岡県の博多から一駅、竹下駅の真ん前にありました。墳長75mの東光寺剣塚古墳です。福岡市の埋蔵文化財センターで教えて頂きました。
三角縁神獣鏡が出土した前期初頭の那珂八幡古墳も近くにありますが、墳丘の残存状況の点ではこちらのはるかに上です。それもそのはずアサヒビールの博多工場の敷地内に丁寧に保存されているからです。残念ながら古墳を囲むようにして建物が建っていることと墳丘の雑木林を自然のままにしているために素人には単なるちょっとした小山にしか見えません。おそらく敢えてそうしているのだと思います。それでも、後円部に開口した立派な横穴石室までくると、存分に古墳を実感することができます。社会貢献の一環なのでしょう工場の北門の警備室で手続きをとればだれでも見学できます。
アクセスはJR鹿児島本線で博多駅から一駅の竹下で下車。アサヒビール工場の北口を目指します。工場の敷地内を横切ることはできないので沖学園側から迂回することになります。徒歩10分(撮影2015年3月19日)。
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東光寺古墳基本情報
所在地 福岡市博多区竹下
形状 前方後円墳
規模 墳長75m 後円部径46m 高さ5.9m 前方部幅59m 高さ5.9m
出土品 形象埴輪、刀、鏃、勾玉
史跡指定
特記事項 後円部に横穴式石室。
花崗岩と玄武岩と阿蘇溶結凝灰岩(石屋形、石棺とは違い開放型の死者を葬る床)
でつくられ全長9mだそうです。玄室は長さ4.2m幅2.4~2.8m高さ2.8~3.0m。
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