三角縁神獣鏡出土の前期古墳最古といわれる古墳
今回は福岡市の前方後円墳、墳長75m超、後円部径48m 高さ6.5mの那珂八幡古墳を紹介します。福岡平野では古墳時代の前期、それも最古に属する古墳といわれています。後円部の二つある埋葬施設のうち第一主体部の大半は那珂八幡宮の床下に位置するため未発掘ですが、その北側にある全長2.3mの直葬された割竹型木棺から三角縁神獣鏡と勾玉、管玉、ガラス製小玉が出土し、神獣鏡は京都の椿井大塚古墳(クリックすれば飛べます)のものと同笵鏡(どうはんきょう、同じ鋳型から造られたもの)がわかっています。ヤマト王権と密接な豪族がられていることは間違いがありません。
それだけ重要な古墳であるにもかかわらず、保存状態は残念のひとことです。動画と図から明らかなように前方部の大半は開発されて削平されています。墳丘が崩れた円墳というのが第一印象でしたが、宅地開発の荒波にもまれながらも後円部だけでもよく残ったというべきかもしれません。八幡様が古くから墳頂にあったからともいわれています。
JR竹下駅から北東方向に延びる道路を直進すると左にこんもりした森がみえます。それが那珂八幡古墳です。6月15日にアップしたアサヒビール工場敷地内にある東光寺剣塚古墳(クリックすれば飛べます)と合わせてご覧ください。こちらは竹下駅前にある後期の前方後円墳で横穴石室も見学できます(撮影2015年8月15日)。
那珂八幡古墳データ
所在地 福岡県福岡市博多区那珂町
形状 前方後円墳
規模 墳長75m、後円部径48m 高さ6.5m 前方部 削平
築造時期 4C初頭
出土品 三角縁神獣鏡と勾玉、管玉、ガラス製小玉、土師器の高坏
史跡指定 福岡市指定
特記事項 なし
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