朝鮮半島の影響もみられる小規模な古墳群
今回の八幡山古墳群。既に紹介した同じ香美町にある整美な石室が残されている文堂古墳(クリックすれば飛べます)を訪れる前、折角の機会なので他の古墳もと訪ねた小規模な古墳群です。古墳以前に、兵庫県香美町といってもピンとくる人は多くはないと思います。調べてみると面積は368平方キロ。町の面積ランキングでは100位。北側は日本海に面し町全体が山陰海岸ジオパークに属し、他方、町全体が豪雪地帯に指定されています(スキー場もいくつかあります)。そのような人々が住むには過酷な自然状況ですが縄文時代から古墳時代にかけての遺跡が数多く残されているのです。なるほどと思う理由があります。高速バスで大阪から訪れたのですが、谷合というに相応しい光景の間に村落がところどころに展開するこの道こそが瀬戸内海と日本海を結んでいるのです。この街道筋沿いに残された古墳の一つが八幡山古墳群ですが、いずれの古墳も小規模な円墳である一方、唯一石室内部を覗ける5号墳は、奥壁と側壁の接合部分(玄室の隅(角))の持ち送りが急になっており、朝鮮半島の影響を受けたものといわれています。当時の交流の証しに違いありません。なお、同じタイプの石室構造は石川県の能登島(七尾市)の須曽蝦夷穴古墳(クリックすれば飛べます)で確認できます。八幡山古墳群5号墳の石室は半壊状態なので、是非、完成形を須曽蝦夷穴古墳で確認してください(撮影2018年11月27日)。
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