JR中央本線の石和温泉から東南方向に5㎞ほどいったところに今回の終末期古墳、経塚古墳は山梨県森林公園 金川の森にあります。現地に赴いてもさほど標高は高いと感じられませんが348mもあると知っていささか驚きました。近くに笛吹川が流れ、今回の経塚古墳を含め後期から終末期の国分古墳群がこの地域には築かれています。墳丘は一つ前に紹介した白鳥陵の15分の1ほどですが八角墳という珍しい形式で全国でも12基ほどしか確認されていないようです。奈良県明日香村の天武・持統合葬墓がよく知られています。このブログでは兵庫県宝塚市の中山荘園古墳(クリックすれば飛べます)、群馬県藤岡市の伊勢塚古墳(クリックすれば飛べます)をすでにアップしていますが今回の経塚古墳は復元整備されたこともあり八角形が極めて明瞭に見て取れます。

 前方後円墳→前方後方墳→円墳→方墳の順に格付けがなされてきたというのが通説ですが、八角墳はどこに位置づけられるのでしょう。円墳の変形と考えるべきなのでしょうか。とはいえ八角墳が登場してしばらくたった7C後半以降はランクでは最高位となる天皇陵に特化されていくそうです(前述の天武・持統合葬墓の他、舒明、天智、文武陵)。それにしても八角墳の八角はどのような背景を持って生まれたのでしょう。現地案内板は中国思想、仏教思想の影響を指摘していますが、考古学者の土生田純之さんは、四方八方あまねく支配することの象徴という説、仏教の背景を紹介し、前者が現在では有力な解釈だと述べています(古墳の見方、ニューサイエンス社、2014)。

 残念ながら石室内部には入れませんが、羨道中途にある格子越しに内部を十分観察できます。石室の中央部が壁側に膨らむ胴張型であることも玄室が羨道より左右に広がる両袖式であることもわかります。

アクセスは石和温泉駅から岡銚子塚古墳のある八代ふるさと公園と経塚古墳のある金川の森公園までタクシーを利用しました。短時間で効率よくまわるには車がよいのでしょうが周辺の景色を観察する余裕がありませんでした(撮影2016年3月31日)。



経塚古墳基本データ

所在地 山梨県笛吹市

形状 八角墳

規模 直径12.5m 高さ2.2m

築造時期 7C

出土品 鉄斧

史跡指定 県指定

特記事項 全国で9例目の八角墳という珍しい墳丘の形


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