タイミングが合えば石室にも入れる貴重な古墳
今回は石室が貴重な京都府向日市にある物集女(もずめ)車塚古墳です。京都の太秦(いずれアップする蛇塚古墳がある)から南に8kmほど下った物集女街道沿いにある5C半ばに築造された墳長46mの前方後円墳です。中規模の古墳から想像した石室とは違って動画2と3でご覧頂ける見事な横穴式石室と石棺でした。天井の大きな板石の一部は大王の石棺で用いられた竜山石が使われていることからもこの被葬者の地位の高さが想像できます。
説明によれば6C当時、この地域は弟国(おとくに、現在は乙訓と書く)と呼ばれ、継体天皇が弟国宮を築いた所だったことから、被葬者は継体天皇に仕えた人物であったのではないかということでした。継体天皇の真陵といわれる高槻市の今城塚古墳(いずれアップします)の石棺の一つは竜山石が用いられていたことを思い出しました。
アクセスはJR東向日駅から物集女街道に出て北に上がったところにあります。徒歩で駅から15分ほどです。一度目は石室を見れなかった冬に訪れ、今回は、一般公開に合わせての再訪です。十分その価値はありました。公開スケジュールは向日市のHPで確認できます(撮影2015年5月28日)。
物集女車塚古墳基本データ
所在地 京都府向日市
形状 前方後円墳
規模 墳長46m 後円部径31m 高さ9m、前方部幅38m 高さ8m
二段築成、葺石あり
築造時期 5C半ば
出土品 埴輪、須恵器、土師器、馬具、刀剣類、装身具等
史跡指定 京都府
特記事項 横穴石室 全長11m、羨道長 5.8m 幅1.5m 高さ2m
玄室 長さ5.1m 幅2.8m 高さ 2m 中には凝灰岩製の家形石棺が置かれている
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