古墳踏査をはじめてから是非訪問したいと思っていた古墳が今回紹介する岡山県岡山市の浦間茶臼山古墳です。箸墓古墳の二分の一の設計という多くの古墳マニアの方々が知っている事実に妙に心を動かされたのです。箸墓古墳を飾っていた特殊器台は吉備、岡山のものですし、前方後円墳が本格化する過程で吉備とヤマトは緊密な関係を維持していたことは多くの専門家が指摘しているところです。
いったい古墳は現在どのようになっているのか。墳丘にも登れると聞いていたので一層、期待してしまいました。初冬のある日の夕方近く、ようやく着いた東側の畑を介してみる浦間茶臼山古墳は寒風の舞う中、ひっそりとたたずんでいました。もっとも、西側は住宅団地が迫っていて古代とは遠い景色が広がっていました。墳形も長い年月の間に荒らされ相当変わっているようですし、後円部から前方部にかけては竹藪や雑木に遮られて墳丘がわかりにくかったのが残念でした。おそらくタイミングの問題でしょう。後円部には伐採された雑木が積まれ、盗掘後の穴も見ることができませんでした。それでも1800年余りもの間、地元の人々の努力によって基本的な形が維持されてきた点は大したものだと思います。機会があれば再訪したいと思います。
岡山駅から宇野バス片上方面行に乗り40分ほど。山の端で下車して徒歩15分。バスの本数は二時間に一本ほど。バス停前のコンビニサークルKの裏にある川沿いを北東方面に歩き岡山不動寺を左折し200mほど直進。コンビニを左折すると右側にみえます(2014年12月17日)。
浦間茶臼山古墳データ
所在地 岡山県岡山市東区浦間
形状 前方後円墳規模 墳長138m 後円部径81m 高さ13.8m
前方部幅不明 前方長61m 高さ6.7m
築造時期 前期 3C末
出土品 埴輪、細線式獣帯鏡片、銅鏃、鉄鏃、鉄刀、鉄剣、鉄のみ、鉄斧等
史跡指定 国指定
特記事項 後円部竪穴式石室