未盗掘のままに出土した金鈴等で知られる終末期の前方後円墳
統合版の動画はこちらです(クリック)。こちらのほうが見やすいと思います。
海抜5.5mという海辺沿いに造られた古墳時代終末期の墳長約100mの前方後円墳です。埋め立てられた西1㎞には東京湾が広がり、被葬者が支配していたと思われる小櫃川(おびつ)が東1㎞に流れています。周囲は開発で住宅に囲まれ、大半の墳丘が削られているとはいえ、当時を想像することは可能です。とりわけ「金のすず」はじめ古墳の出土品が展示されている太田山の木更津市郷土博物館はお勧めです。標高50m余りの展望台から東京湾の先に富士山まで見渡すことができ、古墳時代と変わらぬ光景が広がっています。
木更津駅前の観光案内所で現地までのルートを確認。それほどの距離ではないので歩いてみました。前方部がわずか残る稲荷森神社古墳を経て県道90号線のすぐ北側にある金鈴塚古墳も動画1の冒頭にあるように宅地に囲まれ、一般の住宅の庭といった風情です。横穴石室保護のための金属製の格子がなければ素通りしてしまうところでした。施錠されていて勿論入室は叶いませんでしたが納得です。もし、自由にこの石室に出入りができるようにしたら壊れやすい砂岩でできた石室はたちまちのうちに崩壊してしまうでしょう。ただ、石室の長さが9.6mと長いので照明などの設備があればよいのにと思いました。確認はできなかったのですがあの天井の板石は何枚のなのでしょう。そして現在では後円部が残されているだけですが(それもかなり削られている)、未盗掘のままに鈴をはじめ金銅製の宝器、装飾太刀、武具、玉類など多数出土していることに驚かされます。古墳から南1㎞ほどのところにある太田山山頂の木更津郷土資料館とセットで訪ねることをお勧めします(撮影2018年11月15日)。
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