帆立貝形としては全国第三位の規模
今回の中期古墳、女体山古墳は東日本最大の前方後円墳 墳長220mの太田天神山古墳の県道を挟んだ向かいにあります。前方部(現地説明板は造出しと書いています)の短い帆立貝形古墳ですがその墳長はなんと106mとびっくりするほど巨大です。後円部径は84mもあります。同時期に造られ以前紹介した東京世田谷の野毛大塚古墳が墳長87m、後円部径が67mですから、その大きさがイメージできるのではないでしょうか。帆立貝形としては墳長175m宮崎県西都市の男狭穂塚古墳、墳長128mの奈良県河合町の乙女山古墳につぐ全国第三位の規模だそうです。
以前、緑濃い季節に訪問したところ扁平な短い前方部がよくわかりませんでしたが、今回ははっきりとらえることができました。幅10mから20mほどの周濠がめぐっており今回ぐるっと廻ってみて、その大きさを実感できました。しかし、高さは7mと低いために、圧倒されるというほどのことはありません。かえって後円部径が41.4mしかないものの高さがほぼ同じ6.5mの帆立貝形前方後円墳、奈良の三吉石塚古墳のほうが大きく見える感じもします。不思議です。三吉石塚は完全な復元、他方、女体山は自然保存という違いはありますが墳丘の高さが視覚に与える影響を改めて感じました。埋葬施設は竪穴式と考えられています。
興味深いのは、天神山古墳と主軸の向きが後円部を北に向けていて共通している点です。しかも両古墳の巨大さ。両被葬者には密接な関係があったという説明は納得がいきます。両社の位置関係がわかる動画を動画3の最後につけておきました。車が行きかうなかで、よく保存されている貴重な古墳です(撮影2017年12月26日)。
女体山古墳基本データ
所在地 群馬県太田市大字内ケ島
形状 帆立貝形前方後円墳
規模 墳長106m、後円部径87m 高さ7m、前方部幅13m 高さ不明
築造時期 5C央(隣接する太田天神山古墳より先行)
出土品 円筒埴輪、形象埴輪
史跡指定 国指定
特記事項 帆立貝形前方後円墳としては全国第三位の規模
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