大型の切石が美しい終末期古墳
近鉄南大阪線の尺土駅の南西3㎞ほどのところに奈良県社会教育センター、かつらぎの森と呼ばれる緑豊かな地域があります。地図でみると独立丘陵のようですが、すぐ後ろは葛城山系です。 そこに今回の古墳、神明神社古墳はあります。社会教育センターというので、石室の鍵をお借りする建物が敷地内のすぐそこにあるのかと思いましたが、季節が5月ということもあり、木々に隠れてみえません。ようやく到着。そこから古墳まで、動画の冒頭のような景色が続きます。
奈良県は学校、家庭、地域の参画・協働を通して、「地域と共にある学校づくり」を目指していて、その研修の場がセンターなのだそうです。そういえば奈良県奈良市の立派な石室が完存する池ノ谷1号墳(クリック)も、緑に囲まれた奈良県野外活動センターの敷地内にありました。史跡が数多く残る奈良県では、古墳が破壊されないうちに公共の施設内に保全してしまおうという発想だとしたら大変嬉しいことです。 大型の切石で築かれた神明神社古墳はまさに貴重な古墳です。径20m、高さ3.2mの墳丘前に広がる広大な墓域(説明板では120m×80m)を含め、古墳全体が残されています。平滑された花崗岩の大型石が開口部から迫り、大した迫力です。羨道と玄室の境目がはっきりしない無袖式のために、開口部から玄室奥壁まで見通せることも、そうした印象を与えているのかもしれません。 大型の板石を組み合わせた石室は後期以降、珍しくありませんが、板石同士の間を小型の石材で補ったりしているケースがほとんどで、その意味でも貴重です。持ち送りはもちろんなく、全体が箱といった印象です。香芝市の平野塚穴山古墳(クリック)は横口式石槨という点で石室のタイプはさらに進化したものですが、使われている石材は今回の神明神社古墳とよく似ています。あまり知られていない古墳のようですが見学しやすいこともあり奈良では見逃せない1基です(撮影2019年5月8日)。
にほんブログ村
近鉄南大阪線の尺土駅の南西3㎞ほどのところに奈良県社会教育センター、かつらぎの森と呼ばれる緑豊かな地域があります。地図でみると独立丘陵のようですが、すぐ後ろは葛城山系です。 そこに今回の古墳、神明神社古墳はあります。社会教育センターというので、石室の鍵をお借りする建物が敷地内のすぐそこにあるのかと思いましたが、季節が5月ということもあり、木々に隠れてみえません。ようやく到着。そこから古墳まで、動画の冒頭のような景色が続きます。
奈良県は学校、家庭、地域の参画・協働を通して、「地域と共にある学校づくり」を目指していて、その研修の場がセンターなのだそうです。そういえば奈良県奈良市の立派な石室が完存する池ノ谷1号墳(クリック)も、緑に囲まれた奈良県野外活動センターの敷地内にありました。史跡が数多く残る奈良県では、古墳が破壊されないうちに公共の施設内に保全してしまおうという発想だとしたら大変嬉しいことです。 大型の切石で築かれた神明神社古墳はまさに貴重な古墳です。径20m、高さ3.2mの墳丘前に広がる広大な墓域(説明板では120m×80m)を含め、古墳全体が残されています。平滑された花崗岩の大型石が開口部から迫り、大した迫力です。羨道と玄室の境目がはっきりしない無袖式のために、開口部から玄室奥壁まで見通せることも、そうした印象を与えているのかもしれません。 大型の板石を組み合わせた石室は後期以降、珍しくありませんが、板石同士の間を小型の石材で補ったりしているケースがほとんどで、その意味でも貴重です。持ち送りはもちろんなく、全体が箱といった印象です。香芝市の平野塚穴山古墳(クリック)は横口式石槨という点で石室のタイプはさらに進化したものですが、使われている石材は今回の神明神社古墳とよく似ています。あまり知られていない古墳のようですが見学しやすいこともあり奈良では見逃せない1基です(撮影2019年5月8日)。
にほんブログ村