小規模ながらレンガ(塼槨)(せんかく)積みが美しい古墳


 60基ほどからなる丹切古墳群は5C半ばから7C半ばまで現在の奈良県立榛生(しんせい)昇陽高校の裏山に築かれています。見学可能な残りのよい2基のうち、丹切34号(クリック)は高校敷地内にあり、他方、今回の33号は、動画冒頭にあるように高校敷地からすぐの山腹にあります。フェンスに扉があり33号まですぐです。34号は径10mの円墳として復元されていますが、33号のほうは円墳と考えられるものの規模は不明のようです。そのぐらい封土が流れていることは動画からもおわかりいただけると思います。  しかし、レンガ(塼槨)(せんかく)積み石室は同じタイプの花山西塚古墳(クリック)とはスケールという点で比べものになりませんが、精緻に積み上げていてなかなかのものです。しかも、羨道も破壊されているとはいえ1.4mほど残っていて、全体の大きさを想像することができます。玄室は長さ約3mで幅は1.7m、高さは屈めば問題なく奥壁まで歩ける1.5mほど。奥壁はもちろん、レンガ積みで、かなり持ち送っています。羨道寄りに34号と同様組合せ式の箱式石棺が残されていますが、長さは1.9mに対して幅は0.5mほどとかなり小ぶりに見えます(34号も同様)。被葬者はずいぶんと細身で小柄だったのかなあと思いましたが、現在の棺もほぼ同じ大きさのようで、古墳時代の平均的な人々の体格が現代人よりも極端に小さかったわけではないようです。訪問には高校で手続きをとることをお勧めします(撮影2019年11月20日)。丹切33号所在地 21年10月11日
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