国の特別史跡文珠院西古墳の隣の忘れ去られた古墳
このところアップし忘れた古墳や古墳石室を紹介していますが、今回もその一基です。動画を撮りながらの古墳踏査を始めて間もない2015年の秋ですから6年も前のことになります。再訪しようと思っているうちにそのままになってしまいました。この文珠院東古墳は国の特別史跡、文珠院西古墳に注目が集まるあまり、ほとんどの人々は素通りです。2基は50mも距離が離れていないのにもかかわらずです。私も切石積みの精緻な造りの西古墳の石室に驚くあまり、当時は東古墳を見ても大した感動はなかったように記憶しています。ただ、動画をご覧いただければおわかりのとおり、切石積みの西古墳とは異なり自然石の巨石を積んだ石室で、素朴な感じはなかなかのものです。この造られ方は明らかに西古墳よりも早く、7C前半と推定されています。長さは西古墳と同規模の13mで墳丘の形は不明です。残念なことに西古墳とは違い入室は不可です。 玄室には不動明王が祀られています。今回、編集中に知ったのですが、羨道のど真ん中の5-6個の石は、後世に掘られた井戸だそうで信仰の対象となっているそうです。石室保護の観点だけではなく、宗教上の理由で石室に入れないということなのだと勝手に理解しました。動画後半で紹介しているように文珠院境内の初秋はコスモスで埋め尽くされます。ほんの少し紹介している西古墳とともにお楽しみください。当時はコミュニティーバスをつかいましたが、駅から歩いても30分ほどですし、途中に艸墓古墳もあります。徒歩をお勧めします(撮影2015年10月14日)。