入室して感心した内部構造

 これまで赤穂市有年地区の群集墳では塚山1号墳(クリック)、塚山6号墳(クリック)、木虎谷2号墳(クリック)を紹介してきましたが、今回は二つのグループとは別の惣計谷(そうけだに)古墳群から6号墳です。簡易マップにあるようにいずれも隣接していますが、動画の冒頭にあるような景色が延々と続き、自分がどこにいるのかがわからなくなるのに時間はかかりません(苦笑)。

 今回の惣計谷6号墳も偶然たどり着いた古墳です。それにしては数少ない祇園塚型の石室で、拾い物でした。その日、惣計谷3号墳を訪れたあとに、以前から訪ね損ねていた木虎谷1号墳に行く予定にしたところ、道に迷うこと15分ほど、あっちに行ったりこっちに行ったりして、見つけたのが惣計谷6号墳だったというわけです。これも、帰宅後、赤穂市の文化財担当の方にお聞きし「有年地区埋蔵文化財詳細分布調査報告書」(赤穂市教育委員会、2017)ようやく確認しました。

 ご覧のように東側の墳丘封土の流失が著しいものの、遠目にも円墳ということはよくわかります。

その南側に開口する石室ですが、落葉で入り口部分が多少入りにくいものの、匍匐前進の必要はありません。石室に入る時のドキドキ感は、入り口では見えなかった玄室の奥壁を目にしたとき、頂点に達します。「これはこれは」とキャプションに書きましたが、羨道と玄室の境に、大きな間仕切り状の袖石が出っ張っています。結果として玄室に入る部分の幅がぐっと狭くなり、入室の際に感じる広がりが大きくなる気がします。そうした効果をこの古墳の工人は狙ったのでしょうか。加えて、特筆したいのは玄室天井板石の部厚さです。奥壁や側壁もさることながら、この天井石に見とれてしまいました。

他方、よくわからなかったところもあります。「調査報告書」にある祇園塚型石室は完全に埋没することを前提に羨道部分の天井はないと書かれていますが、ご覧のように惣計谷6号墳の羨道部分には天井石はあります。他方、ずっとスケールが大きい(長さ10.3m)祇園塚型石室でも複室構造の塚山6号墳の羨道天井石はありません。おそらく祇園塚型石室にもいくつかのパターンがあるのだろうと想像します(撮影2020129日)。
PNG 有年地区の各古墳群 21年7月5日作成


にほんブログ村 歴史ブログ 考古学・原始・古墳時代へ
にほんブログ村