古墳よりも雄大な眺望が見どころ

 
 桜井市観光協会が出している桜井の古墳探訪シリーズ④高家(たいえ)周辺の古墳探訪を手にしながら、コミュニティーバス平野バス停から、まだ訪れていない平野古墳を目指します。懇切丁寧に図示されているので迷うことはなさそうですが、土地勘のない者にとっての一人歩きは、いつもながら、正しい道だろうかと不安になる時があります。ましてや今回は、動画1の冒頭にあるように静寂に包まれ、車も滅多に通らない峠越えです。それでも、30分ほど歩くと目指す古墳近くにたどりつきました。
 三叉路の角に残された平野古墳ですが、google mapの航空写真でもその姿が確認できます。それもそのはず、墳丘は全失、石室下部だけかろうじて残っているからです。ただ、1400年前に造られた石室ということがわかるだけ幸運かもしれません。峠の頂上の人の行き交う三叉路にあり、人目につかないというにはほど遠い場所にあるからです。両袖式の長さ9.5mの石室。ところどころにみえる石材の大きさからするとかなり立派な石室だったと考えられます。
 その三叉路から東に歩くと春日神社があり、その境内には春日神社境内古墳が残されています。次第に周囲の木々が高くなり、ワクワク、どきどき感が半端ではありません。道を間違え、ぐるっと回って動画にある階段に到着。ところが、大きな期待は、スーッと萎んでしまいました。境内にはご覧のように、これこそ、石室の残骸といってよい姿。もう少し、何とかならなかったものでしょうか。ということで、今回訪れた古墳石室は、少々、残念な結果でした。とはいえ、両古墳からみる奈良盆地を越えた先の葛城山、二上山などの山脈は見事です。そちらのほうは疎い私ですが、途中、万葉歌碑もあります(撮影2020年2月5日)。

PNG 平野古墳と春日神社境内古墳ルート 21年7月2日作成
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