蓋なしの刳り抜き式家形石棺が迎えてくれます


 事前の調べで開口部は要塞化していることはわかっていましたが、横から近づいても古墳とはわからないものの、開口部の側壁には家の玄関などに使われる鉄平石が貼られていて、雰囲気は悪くありません。広島周辺を襲った2001年の芸予地震(全く記憶がありません)で被害を受け修復せざるを得なかったそうです。その後、数多く自然災害の被害を受けた古墳が立ち入り禁止のままに放置されていることからすれば、貞丸1号墳は、古墳にとっても見学者にとってもよほどラッキーではないでしょうか。 
 この古墳、三原地区の御年代古墳(クリック)や梅木平古墳(クリック)と同様に墳丘は削平され、元の形状はわかっていません。加えて羨道が完全に失われ、いきなり目に入るのは仕切り石だそうですが、左右にある柱状の石です。その枠の中に刳り抜き式家形石棺の棺身が短辺を前に置かれています。近づいてみると雨水でしょうか、水が溜まっています。長さ2.2m 幅1.1m 高さ0.7mの石棺。残念なことに蓋はありません。石室長さは4.5mに対して幅は2mですから、窮屈という感じではありません。他方、ほとんど持ち送りのない長方形の石室の奥壁は2段積み。小型の石はほとんど使われていないためでしょうか。側壁とともに非常にバランスのよい印象です。
 この貞丸1号墳、実は複室構造ではないかとの見方があります。キャプションにも書きましたが、袖石と思った間仕切りの役割を果たす立柱石の存在です。前室と後室(玄室)の境に置かれる石ですが、玄室前の消滅したスペースは羨道ではなくて前室ではないかというのです。なるほど、そういう見方もあるのかという感じです(撮影、2020年3月10日)。PNG貞丸古墳 所在地 21年6月9日
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