県道が横切る前方後円墳に驚きの横穴石室

 
 みやき町の高柳大塚古墳から県道31号線を西に3㎞ほどのところに今回の伊勢塚古墳はあります。歩けない距離ではありません。それに31号線が墳丘を横切っているとのことですから、迷うとは思えません。ただ、神埼市の教育委員会の方に開錠をお願いし現地に午前11時には着かなければならず、やむなくタクシーを呼ぶことに。それにしても大変な交通量です。それも大半が大型トラックです。歩行者がほとんどいないということなのでしょうか。横断歩道もほとんどありません。 
 さすがタクシー。予定よりも早く到着したので墳丘を一周してみることにしました。動画1の冒頭のように道路に沿って(おそらくくびれの辺り)上ると、一見、円墳としか思えない墳丘が待っていました。ただ石室開口部の前に立ち墳丘をみると円墳というには裾が左右(南北)に広がりすぎていて、やはりこれは前方後円墳だと妙に納得してしまいました。 
 神埼市文化財担当の方の話では1930年代には既に現在の31号線は墳丘を分断する形で通っていたそうです。明治期以来の国土開発の犠牲になったわけですが、完全に破壊されずに済んだのは不幸中の幸いでした。それは石室に入ってよくわかりました。おそらく動画を見た方もそう思われるのではないでしょうか。石室全体に巨石が用いられていますが、羨道側壁と羨道の天井石にも用いられている部厚いまぐさ石には特に驚かされました。それだけではありません。長い羨道を経て玄室に入ると、奥壁の上には高さ4mのドーム型(穹窿型)天井が目に入ります。いつもながら静寂に包まれた石室の天井を見ると凛とした気持ちにさせられます。とりわけ高い天井であるほど、そうした気分になります(動画キャプションに奥壁下に区画がと記しましたが、私の勘違いでした)。なお事前に神埼市文化財担当に連絡すれば石室内見学可能です。同じく前方後円墳で巨石を用いた石室が見事に残る高柳大塚古墳(クリック)と比較してご覧ください(撮影2019年12月19日)。PNG 動画撮影位置 伊勢塚古墳(佐賀県)(神埼市)21年5月13日
PNG 伊勢塚古墳(佐賀県)(神崎市)21年5月13日作成

伊勢塚古墳(神埼市)基本情報

所在地 佐賀県神埼市神埼町

形状 前方後円墳

規模 墳長 78.4m、後円部径36m 高さ7m、前方部幅28m 高さ不明、段築あり

石室規模 全長16.7m、羨道長さ6.55m、幅1.95m、高さ1.60m、玄室 長さ3.8m、幅3.2m、高さ4m(なぜか羨道と玄室の長さを足しても表記されている全長とかなり差がある)。

築造時期 6C後半

出土品 埴輪(形状不明)

史跡指定 県指定

特記事項 奥壁に円文が書かれていたが現在では肉眼での確認は難しい。


にほんブログ村 歴史ブログ 考古学・原始・古墳時代へ
にほんブログ村