意外なところにこれほど立派な石室があるとは! 
  径90m高さ18mの巨大円墳の茶すり山古墳。二度目の訪問の折に墳頂の正面に見える集落にある城やぶ1号墳を訪れてみました。径20m 高さ8mの円墳とのことですが動画冒頭にあるような竹藪が墳丘を覆っていてその様子はよくわかりません。ただしっかりした石組みの開口部羨門をみて思わず「オーッ」と声をあげてしまいました。開口部が土砂に埋まり、匍匐前進で玄室に漸くたどり着く古墳石室が多い中、これは貴重です。広島県福山市の大坊古墳や長崎県壱岐市の兵瀬古墳など(いずれもクリックすれば飛べます)を思い出しました。羨道の高さも背を屈めることなく、楽々入室が可能でした。羨道天井石も残っており(ご存じのように欠損しているケースが多い)、思わずその大きさに目を見張りました。そしてまぐさ石が一段下がっているのも特徴です。 羨道がきちんと残っているためでしょうか玄室に外の光が届かず中は真っ暗。ヘッドランプの照度がやや不足気味です。羨道の高さが思ったよりあったので玄室もと想像したのですが、それほど高くなく3mほど(石室長8.9m以外はデータがなくアバウトです)でした。ほとんどもち送りがない長方形の両袖式の玄室でした。印象的だったのはまぐさ石と袖石の分厚さと自然石ながら丁寧に積み上げた側壁でした。6C末の築造と考えられているようです。このような立派な石室があまり顧みられていないというのも残念です。朽ちさびた現地の説明板には昭和53年(1978年)とありました(苦笑)。アクセスは茶すり山古墳の東1㎞にある朝来市埋蔵文化財センター古代あさご館で聞かれるほうがよいと思います(撮影2019年11月22日)。
PNG 城やぶ1号墳と茶すり山古墳 2021年2月23日

PNG 城やぶ1号墳石室イメージ図


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