終末期古墳らしいくびれにある2基目の石室

 
 横穴石室に用いられる石材は時代が下るにつれ小型の自然石から、大型の平滑された板石に変化していくことはよく知られています。そのあとのほうの1基がこの前方後円墳、小見真観寺古墳のくびれに設けられた石室です。もとは後円部石室(クリックすれば飛べます)同様の複室構造でしたが、現在は後室しか残っていません。前室部分はコンクリートで補強されており些か風情を欠きますが、長さ2.8m、幅1.76mの後室は表面を丁寧に滑らかにした大型の板石4枚を使った完成度の高いものです。7C後半以降に造られたと考えられています。時期が若干くだる群馬県前橋市の宝塔山古墳(クリックすれば飛べます)ほどではないにせよ、なかなかのものです。惜しむらくは後円部の石室と比べ高さが半分ほどの1.12mしかなく、窮屈な感じがするところでしょうか。いずれにせよ、こうした高度な技術が古墳時代に東国において、いくつもの古墳でみられる(たとえば福島県須賀川市の蝦夷穴古墳、埼玉県東松山市の若宮八幡古墳)みられることを強調しておきたいと思います。 前方後円墳において複数の埋葬施設があることは珍しくありませんが、それが確認され、石室が2基とも見学可能というところはなく、その点でも貴重です。もっともこのブログでも紹介している奈良県葛城市の二塚古墳(クリックすれば飛べます)は埋葬施設が3基あり、いずれも見学可能です(後円部石室は鉄柵越し)。なお、普段は施錠されており、真観寺に開錠のお願いをする必要があります(撮影2019年10月9日)。

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