三角縁神獣鏡出土のできのよい復元された石室

 
 このブログでも千葉県下の古墳を多数紹介していますが、どうしてこのような場所にきずかれているのかと立地という点でよくわからないことがありました。今回、遅ればせながら古墳時代のこの地域の地理的状況を調べてあらためてなるほどと思いました。今では外浪逆浦(そとなさかうら)等一部にその姿を残す香取海の存在です。その範囲は、現在の霞ケ浦、印旛沼、手賀沼の辺りに及ぶ広さで、水上交通の場として盛んに用いられていたようです。香取海を介して千葉県側から茨城県側への移動、毛野川(鬼怒川)を通じて栃木県側との往来など、ヤマト王権の東国支配にとり極めて重要な内海でした。この香取海の海岸沿いに多くの前方後円墳が築かれています。しかし江戸時代の利根川東遷など土木、治水干拓事業が行われ大きくその姿を変えてしまったのです。 JR成田線小見川駅の北西2㎞ほどのところにある今回の城山古墳群もこの香取海沿いの台地に築かれ、墳長68mの前方後円墳の1号墳からはヤマト王権から下賜されたと思われる三角縁神獣鏡が出土しています(千葉県では2例)。もとは県立小見川高校の敷地に内にあった前方後円墳の石室を13号、14号が残る城山公園側に移築したものですが、非常によくできた復元ぶりです。施錠されていて格子越しの見学でしたが、片袖式の玄室もよくわかりました。とはいえ全体的に暗いために奥壁まで見通すのは至難の業です。動画でも鮮明とはいきませんでした。 残念ですが動画の終わりに登場する帆立貝形前方後円墳の4号墳は浄水場内にあり立ち入り不可。13号も前方後円墳ですが破壊が著しく、よほど目をこらさないと墳丘をイメージすることはできません。もっとも動画の最後にあるように後円部からの「香取海」を見下ろす光景は絶景の一言です(撮影2020年1月17日)。PNG 城山古墳群と三の分目古墳(YU用)
PNG 香取海と古墳(2021年1月16日)
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