羨道と玄室の天井高の違いが際立つ大ぶりの石室


 広島県下では最大規模の石室だけあって、その開口部の巨大な石材を見て口をあんぐり!墳丘がほとんど残っておらず、しかもやや斜め下から石室に近づかざるを得ない撮影上の制約もあって、よけいにその「バカでかさ」が印象に残りました。おそらく開口部を正面下からアプローチできれば、ここまでの驚きはなかったかもしれません。 石室長は13.2m。開口部に立つとライトアップされ羨道の先の玄室奥壁まで見通すことができました。羨道は長さ(6.9m)のわりに、天井高が低いためか思ったよりも、開口部を横から見た時ほど巨大な印象はうけなかったのですが、玄室に近づくにつれ、これは大きいと改めて思いました。玄室奥壁、側壁は平滑された大型の石を3段から4段積み上げてありますが、同じ広島県福山市の大坊古墳(クリックすれば飛べます)のような大型の切石で造られたものとは違い、平滑のレベルもやや甘さを感じさせます。やや時期的にも大坊古墳よりも早い時期に造られたのではと勝手に想像しました。ただ天井の高さは4.2mとはるかに高く、堆積する土砂を除けばさらに高い印象を受けるのではないでしょうか。もう少し時期が下りますが、すぐ近くには複室構造の御年代(みとしろ)古墳や貞丸古墳も造られ、その後、初期寺院も置かれていることから、この地域がヤマト王権と密接な関係にあったことが指摘されています。アクセスはJR山陽本線本郷駅から県道33号線を西に進むと梅木平古墳と書かれたかなり大きな柱があります。そこを北方向に右折し本郷中学校を右手にみながらさらに進むと、突き当り宮川神社の手前に動画冒頭の景色が見えます(撮影2020年3月10日)。
PNG 梅木平古墳(三原市)(YU用)


にほんブログ村 歴史ブログ 考古学・原始・古墳時代へ
にほんブログ村