眺望絶好の山頂に築かれた小型前方後円墳


 標高119mの山頂に築かれた2基の小型の前方後円墳。どちらも6C以降と古墳時代後期に築かれています。見晴らしのよい高所に造られた古墳は岐阜県養老町の象鼻山古墳、神奈川県逗子市の長柄桜山古墳、長野県千曲市の森将軍塚古墳、愛媛県今治市の妙見山古墳と紹介してきましたが、いずれも前期の古墳です。古墳時代後期になるまで、この地では奥津城の場所としては素晴らしいの一言の機神山は手つかずだったのでしょうか。眼下には渡良瀬川が流れ、遠くには山並みが連なるこの光景は、川の流路が変わったことを念頭に置いたとしてもそうは変わらないはずです。機神山古墳には南東を向いた長さ8.1mの石室が造られています。墳丘の規模に比べ大きな石室です。座念ながら東日本大震災で被災し、訪れた時には土嚢で内部は塞がれていました。 機神山古墳から北へ尾根伝いに300mほど歩くと,先に築かれた行基平山頂古墳に着きます。最近の調査で後円部テラスには円筒埴輪が巡り、前方部からは人物、馬などの形象埴輪が検出されています。現状はご覧のように土壌流出を防ぐためでしょうか、土嚢で覆われ工事現場のようでした。不思議なのは機神山より早く造られたにもかかわらず眺望はさほどではないということです。想像をたくましくすれば機神山の被葬者が既に現在の場所を押さえていたということになるのでしょうか。付け加えれば行基平古墳の埋葬施設は後円部の竪穴とみられています。山頂は公園化されクルマであがれますが徒歩をお勧めします(撮影2019年1月10日)。PNG 動画撮影位置 機神山山頂 修正版(YU用)
PNG 機神山山頂、行基平山頂古墳
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