複室構造のモダンな印象の石室

 兵庫県赤穂市を流れる矢野川の北側の尾根に築かれた塚山古墳群。50基以上の横穴石室を埋葬施設とする円墳が残されている現地の様子はなかなかのものです。既に1号墳は紹介済みですが今回の6号墳は、1号墳の北側にあり一目で他の古墳よりも大きいことがわかります。といっても径23m弱ですから決して大型ではありません。むしろ小型です。ところが11.4mもの石室は壮観そのものです。塚山1号墳(クリックすれば飛べます)と比べればその差は歴然としています。6号墳の被葬者のほうがはるかに格が上です。羨道の天井石は抜かれており、前室の天井石は土圧でかなり傾いていますが、その調和のとれた空間には息をのみました。理由の秘密は素人ながらに考えると後室との間に置かれた仕切り石の上の三角形のまぐさ石の存在ではないでしょうか。これがアクセントとなり前室の存在を引き立てます。3.4m(長さ)×1.9m(幅)×2.1m(高さ)の箱にはとても思えませんでした。皆さんはどうお感じでしょうか。そして分厚い仕切り石を越えた後室も単なる持ち送り(壁が天井に近づくにつれ内傾化する)ではなく、大型の天井石の端に合わせて形を整えている点など石工技術の高さを感じました。前室の右片袖の袖石の存在も石室にアクセントを加えています。
 以前も触れましたが、この袖というのは今一つその意味合いが理解できていません。両袖、片袖、無袖とこれまでもわかる範囲内で触れてきましたが、必ずしも格が最も高い人物は両袖、次が左右どちらかの片袖、さらに格下が無袖というわけではないようです。無袖の石室からも豪華な副葬品が出土したり、格上と思われていた両袖から何もめぼしい考古資料は見つけられなかったということもあるようです。ならば単なる被葬者や(生前から墓を築くことを寿陵という)周辺の人々、石工(いしく)集団の好みの問題なのでしょうか。興味は尽きません(撮影2020年2月3日)。
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