やせ細った墳丘が痛々しい前方後円墳


 奈良盆地の低地、田原本町に築かれた今回の黒田大塚古墳。現状は55mの墳長に留まる前方後円墳ですが、築造時は70mと推定されています。周濠や大溝が埋め立てられた際に墳丘が削られていったそうで現地説明板に築造時から鎌倉時代、江戸時代を経て現在に至る墳丘の変化が書かれています。田原本線の黒田駅から西にわずか100mほどのところにある古墳ですが周囲は住宅に囲まれており、墳丘も芝に覆われているために案外見つけにくいです。そのためもあり墳丘の遠望はかなわず、せいぜい動画の冒頭にあるような光景が限度です。とはいえ墳丘に登り後円部に歩くと京奈和道越しに三輪山が見え、前方部の向こうには度々紹介している馬見古墳群のある馬見丘陵が広がりなかなかの眺望です。
 以前、黒田大塚古墳の西北4㎞にある中良塚古墳(クリックすれば飛べます)のところでも触れましたが、この辺りは飛鳥川、寺川、曽我川が大和川に向かって合流する低地で、黒田大塚古墳の北側2㎞のところには墳長190mの島の山古墳(クリックすれば飛べます)をはじめとして多数の小型前方後円墳が築かれているのだそうです。古墳時代当時とは同じではありませんがおおよその地形はgoogle map からも読み取れます。1983年以来の調査で葺石がなかったことが確認される一方、墳丘には円筒、蓋(きぬがさ)埴輪が立ち並んでいたようです。また、考古学的に貴重とされる笠、鳥の形をした木製品が前述の周濠を埋めた土の中から出土しており、位置からして埴輪同様に木製品も墳丘上に立ち並んでいたとのこと(朝日新聞、2000年3月18日)。よくぞ土に還らず残っていたものだと感心しきりです(撮影2019年11月20日)。PNG 黒田大塚古墳と周辺古墳

黒田大塚古墳基本データ

所在地 奈良県田原本町

形状 前方後円墳

規模 墳長70m、後円部径40m 高さ8.2m、前方部幅45m 高さ7.7m

築造時期 6C初め

出土品 円筒、形象(蓋)埴輪、鳥の形をした木製品

史跡指定 県指定

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