甲府盆地を見下ろす石室完存の円墳
 なんとものどかな名前の古墳と思ったら牧童ではなく牧洞でした。それはともかく、墳丘のある斜面からは甲府盆地の南端にのぞく富士山(山梨県側からの)がみえます、それは雄大な眺めです。動画3の後半でその様子がご覧になれます。牧洞寺古墳、既に紹介した天神塚古墳(クリックすれば飛べます)のすぐ近くに並ぶように築かれています。それもそのはず、二基は岩下古墳群に属し、現在では石室が完存する貴重な古墳なのです。とはいえ現状は天神塚古墳よりもこちらのほうが周辺は遮るものがなく、当時を想像するには有利です。

 長さ10.6mの横穴石室は無袖式。そのためか玄室と羨道の境目がよくわからないのが残念です。山梨市文化財調査報告書(1993-1996)では、1996年に墳丘の調査を行い、墳丘には石が鉢巻状態にまわっていた可能性があることを指摘しています。短期間の調査のため結論は出していませんが、現在墳丘を覆う緑は薄い耕作土であって、その下は拳大の石でおおわれているようです。おそらく、神奈川県秦野市の桜土手古墳群(クリックすれば飛べます)のような姿ではなかったでしょうか。

 南東方向を向いた石室の開口部は現状でははっきりしませんがㇵの字型の前庭部があったようです。石材の使用具合が巧みで、全体としてバランスがとれています。特に大型の鏡石の奥壁と中型の石材を用いた側壁の対比はなかなかのものです。そして開口部に向かう動画3でよくわかりますが天神塚古墳同様、天井の板石に圧倒されます。ただ、天井が低く

空間を味わうということころまではいきません。また、石室に入るとすぐに気が付いたのがコンクリートの長方形の石材と床でした。側壁が内圧で傾きかけたことに気づいた所有者が補強されたそうです。そうした後世の加工があるとしても非常によく残されていることに感心しました。これは所有者の熱意以外のなにものでもありません。JR中央線の春日居町駅に急ぎながら裏富士をはっきり確認できたのがラッキーでした(撮影20191114日)。
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