伊勢地域の首長墓、2基からなる宝塚古墳]
  だいぶ前に訪問したのですがアップが遅れてしまいました。全長140㎝の船形古墳が出土した前方後円墳の1号墳に比べ、そのすぐ北にある今回の帆立貝型前方後円墳の2号墳はあまり言及されることがないようです。でも改めて編集のために動画素材を点検したところ短い前方部の半分ほどが道路建設で削平されていること以外、墳丘の残りも段築が明瞭でなかなかのものだと思いました。全長90mもあります(動画1のキャプションでは径90mと書いたのは誤りです)。

 10mほどの墳丘に登ると、墳頂には礫(小石)が敷き詰められた葬送儀礼のための区画があった確認されたようですが、残念なことに現在、その場所は記されていません。愛知県名古屋市の白鳥塚古墳(クリックすれば飛べます)も同様の区画があり、こちらはその位置がわかるように復元されています。   

 2号墳の墳頂からは南側に1号墳、1号墳からは北側に2号墳が木立越しに見え、両者が密接な関係にあることがよくわかります。築造時期は1号墳が5C初頭、ついで2号墳が5C前半と考えられているそうです。残念ながら1号墳のような多数の形象埴輪が墳丘に立っておらず朝顔型の埴輪が葺石が葺かれた墳丘にまわっていたようです。2号墳は1号墳に続く首長墓とみられていますが、全国古墳編年集成(石野博信編、1995)をみると2号墳以降この地域に墳長100m前後の大型の古墳は築かれていないようです(撮影20151119日)。
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宝塚2号墳基本情報

所在地 三重県松阪市

形状 帆立貝型前方後円墳

規模 墳長90m、後円部径83m 高さ10.5m、前方部幅40m

高さ 2.9m、後円部3段、前方部2段 築成

築造時期 5C前半

出土品 朝顔型埴輪

史跡指定 国指定

特記事項 宝塚1号墳造出し出土の船形埴輪は全長140㎝と国内最大


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