奥壁が美しい可憐な小石室

 徳島県の吉野川北側に築かれた段の塚穴型石室をもつ古墳の数々(代表的な2基をあげます。太鼓塚古墳野村神社古墳(ともに古墳名をクリックすれば飛べます)をこのブログでも紹介してきましたが、南側はどうなんだろうと調べてみると横穴石室が残る円墳、江の脇古墳が残されていることがわかりました。しかしこの一基を除くとほとんど古墳は造られていません。全国古墳編年集成(石野博信編、雄山閣、1995年)によれば興味深いことに吉野川流域では最後に造られた古墳のようです。しかも玄室奥壁の途中から巨大な板石が背の高い天井に掛けられる点が特徴な段の塚穴型とは違い一般的によく見る横穴石室です。ということは吉野川北側に集中して造られた段の塚穴型古墳の被葬者集団とは異なるのではないか。そんな気がします。

 段の塚穴型石室として最初に築かれた大国魂神社古墳を訪ねた後、そのままタクシーで吉野川を渡り江の脇古墳に急ぎました。だいぶ前に公園として整備されたようで道沿いに動画1冒頭のような楕円形の古墳が現れました。説明板によれば墳丘は開墾等で削平され長方形になり、加えて第二次世界大戦中に対空監視台が墳頂に築かれたために頂上は平になっているとのことです。石室は土圧のためでしょうか歪んでいますが、短い羨道の先には奥壁の美しいこぶりの玄室が待っていました(撮影2019年4月9日)。


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