杉木立に佇む残りのよい中型の前方後円墳

千葉県立松尾高校裏の大堤大権現塚古墳に大いに感動して次の古墳、旭ノ岡古墳に向かいます。今回は千葉県芝山町の千葉県の古墳のガイドブック、房総の古墳を歩くを小脇に20分ほど歩いたでしょうか。目指す八幡神社の鳥居が見えてきました。といっても初めて訪れる地。途中、何度も道を聞きます。この時も、松尾高校の生徒さんや、神社近くのお宅で車を洗っていた方にお世話になりました。

鳥居に足を踏み入れてすぐ右手に後円部とわかる高まりが見えてきました。静まり返った杉木立のなかに眠る墳長70mの前方後円墳です。大堤大権現塚古墳は115mありましたから、ずっと小ぶりに見えますが、中規模の前方後円墳です。南側くびれ部分に社殿がありますが、墳丘自身はさほど削られていないようで、後円部に上ってみると大きく広がった前方部が見えました。後円部径と前方部幅はともに47mあり、他方、くびれ部分は幅が24mしかないために、きゅっとしまって前方部、後円部が広がっている印象です。大堤大権現塚よりもやや早く造られているようですが、二重に廻る周濠の間には土堤(周堤)があることから同様の設計ではないでしょうか。興味深いのは調査が行われ北側くびれに埋葬施設(石室)を確認していることです。後円部にはあったのかなかったのか説明板にはなにも書かれていません。埴輪も確認されていますが、前方部には円筒、水鳥、家形など形象埴輪が裾部と段築に並び、後円部には円筒埴輪がまわっていたそうです。出土品は管玉と土師器、須恵器だけだったそうです。北側周濠に降りて墳丘をみあげると2段築成ということがよくわかります(撮影20181023日)。

PNG asahinookakofun zu (sanmushi)
PNG asahinooka kofunto daigonngennduka kofun ichikannkei

旭ノ岡古墳基本データ

所在地:山武市松尾町蕪木

形状 前方後円墳

規模 墳長70m、後円部径47m、高さ7m、前方部幅42m、高さ7

周濠あり

築造時期 6C後半

出土品 円筒埴輪、形象埴輪

史跡指定 山武市指定

特記事項 なし