形式美の極致を感じさせる玄室 


 今回は秩父や長瀞にも近い荒川沿いの皆野町の金崎古墳群から大堺3号墳を紹介します。少々ややこしいのですが既に紹介した天神塚古墳(クリックすれば飛べます)も金崎古墳群に入りますが、地理的には今回の大堺古墳群からは1.5㎞ほど西にと少々離れています。また別の機会に紹介する2号墳も、13号とは異なる敷地内にあります。

 径18mの円墳大堺1号墳は発掘調査が行われておらず石室の状況もわかりませんが、開口石室を伴う3号墳は動画1の冒頭にみるように民有地の畑の中に残されています。こちらも径16.5mとほぼ同じ大きさですが、墳頂に祠のある墳丘は円墳には見えないほど改変され痛々しい感じすらします。その影響なのか現在に至るまで石室羨道付近は崩落が繰り返されてきたようで、川原石で補強されています。ただ、玄室はよい意味で期待を裏切ってくれました。

平らな板石を小口積み(材料、この場合石材の切断面が見えるようにする積み方)にした玄室は側壁中央が外側に膨らむ胴張り式を採用して、形式美の極致を見る思いでした。そして側壁の石材では緑泥片岩など各種結晶片岩を用いているからでしょうか、色彩的にも美しいことに驚かされました。残念ながら少々照度が不足していて、その点を伝えきれていません。荒川がすぐそこに流れていて特色ある石材の調達には事欠かなかったこともこの美しい石室ができた理由の一つかもしれません。アクセスは秩父鉄道親鼻駅下車、荒川を越え少々北上したところにある金崎交差点近くです(撮影20191031日)。
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