小ぶりながら朱の良く残る完成度の高いドーム型石室 


  今回の目指す古墳は道路沿いにポツンと残され否が応にも目立ちます。県道40号線近くの鏡山小学校の東側です。動画1の冒頭でおわかりのように小ぶりの墳丘です(もっともこの地は標高284mの鏡山の西の裾にあたり近くの玉蔓古墳はじめ数多くの古墳が造られています)。それにしてもよくぞ残ったと感心するしかありません。それだけ価値のある石室と、地元の方も保存に力を入れてきたに違いありません。それは入室してよくわかりました(事前に唐津市の学習文化財課に石室開錠の申請書を提出)。羨道をいれても石室全体の奥行きは4mほどしかないのですが、狭い羨道から玄室に足を踏み入れて、全体に朱が残された(特に玄室上部)空間にため息が出ました。しかも、2mほどの天井は四隅から持ち送る穹窿式(ドーム型)。個人的にこのタイプは好きです。それにしても小型の石を小口積みにした壁は完成度が半端ではありません。下に目を移すと板石で区切って遺骸を納める石障が設けられています。

 出土品に円筒・家形埴輪、鉄刀、鉄剣、鏡があったと伝えられていると現地説明版にありましたが、このような小型の墳丘の場合どのように埴輪は置かれていたのでしょうか。また、動画1にあるように羨道右側壁に沿って長く板石が残されており閉塞石なのかと思い学習文化財課にお聞きしました。現地を案内して頂いた担当者の方のお話によれば発掘調査が行われておらず詳細は不明だが、羨道ないし玄室の閉塞石ないしは石障の蓋石ではないかとみられるが結論は出ていないとのことでした。また、盗掘後、羨道の積み直しが行われたとの記録もあるそうです。小墳とはいえ今でもわからないことは数多くあり、それだけにロマンを掻き立てられます。アクセスですが今回は短時間で唐津市の開錠して頂いた古墳をまわる計画をたてたためにJR筑肥線東唐津駅からタクシーにお願いをしました(撮影20191217日)。
PNG hinokuchi kofun (karatsu)

樋の口古墳基本データ

所在地 佐賀県唐津市鏡

形状 円墳 横穴石室あり

規模 径30m 高さ不明

石室規模はイメージ図参照

築造時期 5C後半

史跡指定 唐津市指定

特記事項 朱が塗られた玄室のある横穴石室が完存


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