天竜川西岸にみる玄室のみの終末期古墳
   北岡大塚古墳から引佐総合公園に下る途中の西側に北岡2号墳はあります。十分な下調べもせずに寄ったために、どこに墳丘があるのといささか戸惑いました。完全に円墳の封土はながれ石室が露出していました。それも残念なことに天井石はほとんど抜かれています。その代わり石室内部を見下ろす形で観察することができます。説明板によれば羨道がなくいきなり玄室というかなり特異な横穴石室で、玄室の入り口はそばに置かれている大型の石で閉塞していたようです。全体としてこじんまりとしていて、それは玄室長3.2m、幅1m、高さ1m(推定)という数字に表れています。素朴な印象を受けるのは使用石材がチャートであるためでしょうか。古墳時代が終わりかけの築造と考えられているようですが、同じ時期の畿内にしばしばみられる切石による石室とは全く違っています。中央と地方の技術力の差なのでしょうか。ところでこうした天井石が抜けている石室は数多くあり、すぐ思い浮かべたのは規模は北岡2号墳よりは大きな真龍寺古墳(大阪府)でした(クリックすれば飛べます)。今回同様に石室を囲むように見学用の枠が設けられていました(撮影2018年12月10日)。

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