唐仁古墳群の数少ない前方後円墳と大型円墳

鹿児島県の大隅半島は意外に思われるかもしれませんが古墳の宝庫です。今回の唐仁16号墳(薬師堂塚)、33号墳(向塚)のある唐仁古墳群からは1号墳の大塚古墳100号墳の役所塚(いずれもクリックすれば飛べます)を既に紹介していますが、南には前方後円墳の南限、塚崎11号墳塚崎51号墳(いずれもクリックすれば飛べます)のある塚崎古墳群があり、北には美しい墳丘が残る横瀬古墳(クリックすれば飛べます)。いずれも志布志湾岸沿いに築かれていることから海上交通を押さえていた豪族の墓であることは容易に想像されます。

前方後円墳がヤマト王権との関係性の濃さを証明するものと考えるならば唐仁古墳群では最も早く築かれた墳長140m1号墳、大塚古墳、ついで墳長57m100号墳(役所塚)、最後に墳長47.4m16号墳(薬師堂塚)といずれも墳丘は前方後円墳です。首長墓とみられています。古墳群は132基からなりますが、3基の前方後円墳を除けば全て円墳で、33号の向塚は最大規模になります。また大隅半島では地下式横穴墓という地域独特の埋葬施設が知られていますが、唐仁古墳群では確認されておらず、その点からもヤマト王権との関係が残りの古墳群とは異なっていたのではとみられています。しかしこの地域での前方後円墳の築造は4C末で終わりその後は築かれていません(撮影2018221日)。
PNG 唐仁古墳群 全体図
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