遠くから方墳だということがわかる貴重な小墳

JR和歌山線の北宇智駅は鉄道ファンでは案外知られている駅のようですね。2007年まで関西では唯一の停車に際してスィッチバックが必要だったそうです。鉄ちゃんではない私はやたら吉野口駅を過ぎて隣駅の薬水から北宇智まで遠かったのを覚えています。今回の近内塚山古墳、駅から真西200mほどのところに走る京和奈道路沿いの側道を真北に1.5㎞ほど歩いた西側(左手)にあります(動画1の冒頭が西に歩いているところ)。

五條市には数多くの古墳が造られていますが興味深いことにその多くが方墳である一方、

近内カンス塚古墳(未アップ)だけ円墳、しかも超大型で墳径は85mもあるのです。古墳群中、最も早く5C前半に造られ、他の猫塚古墳(未アップ)、つじの山古墳(未アップ)、西山古墳(未アップ)等は5C半ば以降、それも方墳であることを考えればカンス塚古墳が盟主墳なのでしょう。そうだとしてもカンス塚古墳以外どれもこれも方墳というのが興味深いですし、今回の近内塚山古墳についても群中、特別に位置づけられそうです。というのも古墳群中一基だけ離れポツリと五條市北端の丘陵に築かれているからです。なぜなのでしょうか興味はつきません。石棺内からは鉄剣など武具が隣接の副室からは単甲など武具、鉄鎌、鉄釣り針など農具、漁労具、鍛冶具が出土していることから被葬者は鉄器生産とかかわりの深い人物となのでしょうか。石棺内からは人骨が完全な形で残っていたことで知られています(撮影2019313日)。
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