群集墳の姿が確認できる古墳公園 



 古墳を訪ねているとよく群集墳という言葉を聞きます。特に古墳時代後期の6Cになるとその数は爆発的に増えますが、その全体像を築造当時の姿の墳丘で確かめることができるところがあるかと言われればなかなかこれというところがありません。このブログでも巨石を用いて造られた大阪府八尾市の高安千塚古墳群のいくつかを紹介してきましたが、残念ながら石室は残されているものの墳丘があすこにもあるここにもあるというような光景が見られるわけではありません。

 今回の新沢千塚古墳群は10mから20mほどの円墳でしかも埋葬施設は動画1で紹介している初期の横穴石室を有するもの以外は、木棺直葬といわれており被葬者の格という点では決してランクは高くないようなのですが、墳丘がひしめくように立ち並ぶ姿はこれぞ群集墳といった感じです。2㎞四方に600基が確認されているそうです。そのなかで方形の126号墳はその副葬品の豪華さから知られています。金銀の装飾品や、ガラス製品で多くが国の重要文化財に指定されており千塚横の橿原市博物館には精巧なレプリカが展示されています。アクセスは近鉄橿原神宮前駅から県道133号線を直進、約30分で南北に広がる千塚古墳公園に到着します(撮影2018123日)。
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新沢千塚古墳群基本情報

所在地 奈良県橿原市北越智町、川西町

形状 前方後円墳、円墳、方墳

規模 500号(前方後円墳、墳長42m)、方墳(22m×16m)、多数の円墳(径10m-30m

築造時期 5C末から6C後半(一部は4C末から5C初め)

出土品 126号からは漆盤、銅製柄付皿、鏡、玉、龍文唐草透彫方形金板、銀製空玉、垂下式金製耳飾、ガラス皿、ガラス壺、金製指輪や帯金具など

史跡指定 国指定

特記事項 126号の出土品は突出しており大陸的な副葬品が多い


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