蓮華文が彫られた石棺が収まる円墳

JR和歌山線の吉野口から歩いて15分ほどのところ、奈良盆地の南西の地域に二人の人物が埋葬された今回の水泥南古墳があります。二度目の訪問。動画をご覧になればわかるように径25mの円墳に築かれた狭い石室に大きな石棺が二基。石室全体の長さは10.8mもあります。前回の訪問時には奥の玄室にある石棺までは到達できず、リベンジのつもりでおじゃましたのです。迎えて頂いたご夫婦によれば、スリムな人が手前の石棺の蓋の上を這いつくばって奥の石棺に到達したこともあるようですが、今回も諦めざるを得ませんでした。奥の玄室の石棺は当時のブランド品、竜山石で造られており是非みたかったのです。

もっとも羨道に置かれた追葬された人物の石棺も非常に貴重なものです。縄掛け突起に大きく彫られた模様は仏教の聖花、蓮華です。被葬者が仏教に傾倒していたことは間違いがないでしょう。水泥南古墳が築かれたと考えられているのは7C初頭、推古朝です。既に前方後円墳の築造は終わり仏教が王権周辺にも広まりを見せ、飛鳥寺も完成し初の遣隋使も送られた時点です。仏教を積極的に導入した豪族の巨勢(こせ)氏の墓ではないかといわれています。既に紹介した水泥北古墳とセットでご覧ください。それにしても数多くの訪問者に対応されているご夫婦には頭が下がります。見学にはいくつかの申請ルートがあるようですが御所市教育委員会に連絡するのがよいでしょう(撮影201695日、2019711日)。

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