竹林とのコントラストが美しい墳丘


 
  今回の前期古墳寺戸大塚古墳はJR京都線向日町から真西に1㎞ほど行った丘陵斜面にあります。目指すは美しい竹の径(西ノ岡竹林通)ですが、わからなかったら向陽小学校を目指すとよいと思います。この小学校の前の径が竹の径でそのまま北にあがると墳丘がみえます。

 さて今回の寺戸大塚古墳、平安京が置かれる前の京都を知るには格好の大型前方後円墳です。この乙訓(おとくに)地域には既に紹介した五塚原古墳元稲荷古墳(いずれもクリックすれば飛べます)が築かれ、その次に今回の寺戸大塚古墳が、そして消滅した妙見山古墳が4C前半から末にかけて築かれます。100mクラスの前方後円墳が、切れ目なく同じ地域に造られたのですから同じグループに所属する豪族の領袖の墓だったことは容易に想像されます。残念ながら五塚原、元稲荷古墳に比べると墳丘の残りはよくありません。竹の径を南から登ると径57mの後円部だけが忽然と姿を現します。実は竹の径に沿って今では確認できない前方部が南方向に広がっていたことがわかっています。それでも竹林と残された墳丘とのコントラストはなかなかの美しさです。竹林はもちろん後世のものですが、地図でお分かりのように古墳の西側には小畑川が流れ、見上げると葺石が敷かれた墳丘がよく見えたにちがいありません(現在では住宅が密集しています)。

 寺戸大塚古墳は数次にわたる調査の結果、後円部、前方部から竪穴式の埋葬施設があり三角縁神獣鏡を含む多数の出土品が確認されています。近くの五塚原、元稲荷の両古墳とともに見学するのがお勧めです(撮影201597日)。
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寺戸大塚古墳基本情報

所在地 京都府向日市(墳丘東側)、京都市(墳丘西側)

形状 前方後円墳

規模 墳長98m、後円部径57m 高さ9.8m(18mとも)三段筑成、前方部幅45

高さ不明 葺石あり

築造時期 4C後

出土品 後円部、前方部埋葬施設から三角縁神獣鏡を含む銅鏡、鉄製武器、農工具、石製品

円筒、朝顔、家形、鳥型の形象埴輪








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