入室してびっくり。大きな空間が広がっていました。

  
 乗客もマバラ。のどかな天竜浜名湖鉄道に揺られて三ケ日の駅に着くと、目に入ったのがレトロな雰囲気の駅舎でした。1936年に造られたそうです。三ケ日といえばミカン。目指す釣西山古墳一帯にもミカン畑が広がっています。もっとも歴史的事実は浜名湖の支湖、猪鼻湖の北側に広がる丘陵が後世、ミカン畑として開墾されたのです。今回の釣西山以外はミカン畑の犠牲になってしまいました(正確にはもう一基、石室らしき残骸が確認できる)。

 県道362号線を西に1㎞ほど歩き北に向かう三叉路の左の道を登ると釣公民館があります。動画1の冒頭は公民館のある通りを進み左折するところです。周囲は背丈ほどあるミカンの木々が広がりますが道標はわかりやすく立てられています。その案内に従い進むと目指す古墳ですが、唖然としました。墳丘はほとんど崩れ陥没した穴が残っていただけだったからです。それでも気を取り直して近づくと穴の奥には広がりがあるように思えました。羨道は失われていますが玄室にもっとも近い天井板石が入室できるように開口しています。盗掘の際にもこの穴を使ったのかと思うと些か複雑な気持ちになります。この地域では前期、中期にはほとんど築かれず、後期になって釣古墳群として50基以上もの古墳が造られています。そうしたところから専門家は猪鼻湖沿岸部最大の古墳群を形成した集団の存在がうかがえるとみています(村上遺跡、浜津市教育委員会、20144月)。

動画2の冒頭のように恐る恐る入室するとこれまたびっくり。自然石を積み上げた結構な広さの空間が広がっていました。長さは3.33m、幅は3段積みの奥壁部分で1.9m、高さ2.2mもあります。印象的なのは奥壁側からみた開口部方向の石室の様子です。まぐさ石と玄室の天井の間に結構な隙間があるのです。これは意図されたものなのでしょうか(20181210日)。
PNG Tsurinishiyama kofun zu



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