竪穴式石室が見学できる珍しい古墳


  少々変わった名称の古墳群長福寺裏山古墳群の2回目。前回は2基の前方後円、長福寺裏山古墳群1(双つ塚古墳と東塚古墳)(クリックすれば飛べます)でしたが、今回の帆立貝形の前方後円墳、それに方墳、円墳とバラエティに富んだ古墳群です。この古墳群が魅力的なのは、史跡公園のなかに古墳の大半を自然保存しつつも墳形がわかるようにこまめに草刈をしながら現在の我々に往時を偲ばせてくれているところです。

肝心の帆立貝形前方後円墳の千人塚古墳は極めてまれなケースですが、墳頂下にある竪穴式石室が見学できます。墳長は43mと決して大きくはありませんが周濠と周堤越しに見る墳丘はずっと大きくみえます。竪穴石室は結構深いところにあり、現在では前方部側を向いた盗掘孔側の階段を降りて石室をみることになります。もっとも現地説明板によればもともと横口式石槨が前方部側にあったとの見方もあるようです。それはともかく長さ3m、幅、高さとも80㎝の石室は扁平な石を積み上げてできています。同じく竪穴石室を見ることができる香川県の高松茶臼山古墳(クリックすれば飛べます)。と比較してご覧になると違いや類似点がわかると思います。実は墳頂直下にもう一つ石室があるのだそうですが破壊が著しく見た目にも確認できませんでした。

出土品は須恵器や埴輪の一部などごくわずかですが興味深いのは長福寺裏山古墳出土とされる短甲が米国のメトロポリタン美術館に収蔵されているということです。盗掘された短甲がどのようにして米国に渡ったのか興味深いところです(撮影2017926日)。


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