大和郡山市では見逃せない貴重な横穴石室

奈良盆地の北部に位置する大和郡山市(マップ参照)。南に下ると繰り返し紹介してきた馬見古墳群があるところから、さぞかし有力な古墳が多数残されているのではないかと思っていました。残念ながら肩透かしをくらってしまうほど数が少なく、しかも多くの墳丘は破壊され部分的にしか残っていません。残念の一言です。平坦な土地が広がるということもあり早くから開発が進んでいたからかもしれません。あまり多くの古墳が築かれなかったのかと思って全国古墳編年集成(雄山閣、1995)を見ると盆地中央部(大和郡山地区)にはそれなりの数の古墳が造られています。しかし六道山古墳(前方後円墳)、松山古墳(円墳)、小泉大塚古墳(前方後円墳)、狐塚古墳(前方後円墳)など多くの古墳が破壊されています。もっとも墳長200mと大型の前方後円墳、島の山古墳(陵墓参考地)(クリック)や復元された径49mの円墳、割塚古墳はからくも残されています。そうした中で今回の後期古墳(末期という見方もあり)笹尾古墳が横穴石室を完存させていることは驚きの一言です。しかし元の姿が円墳だということは現状からは全くわかりません。削平されつくされています。

長さ12.5mの花崗岩製の整った石室は見応えがあります。しゃがまなくても入れる長い羨道の先にはかっちりした印象の玄室が待ち受けています。そして玄室入口にある左右の袖石の大きくて立派なこと。思わず声が出ました。普通は玄室上部のまぐさ石に目が行くのですが今回は両袖形の玄室と羨道の境にある袖石でした。玄室は天井に行くにしたがって内傾する持ち送りが見られますが九州や四国のドーム型ほど極端ではありません。整った印象を持つのは丁寧に組まれた敷石がかなり残っているからかもしれません。二上山(マップ参照)鹿谷寺付近の凝灰岩を使用した家形石棺があったようですが、中世に信仰の場として用いられた時か、盗掘の際に破壊されてしまったとみられています。その残片は発掘調査を行った樫原考古学研究所か奈良県が保管しているそうです(郡山市文化財担当)。

現地は国立療養所の敷地内ですが病院で見学の申し入れをすれば場所を教えてもらえます。保存状況のよさ、石室内へのアクセスの容易さを考えればお勧めの古墳です。JR関西線大和小泉駅から近鉄郡山駅行きのバスで松尾寺口下車すぐ(撮影2018131日)。PNG sasaokofun to nijouzan
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