借景の茶畑が美しい円墳 

 これは美しい。思わず息を飲み立ち止まりました。動画3の冒頭、墳頂にそよぐ杉林の先には濃淡緑の茶畑が広がります。古墳時代には見られなかった茶畑が今回の春林院古墳の借景になっています。古墳もこうした楽しみ方があるなと改めて思いました。

和田岡古墳群からは今回の古墳の東側にある前方後円墳、吉岡大塚古墳(クリックすれば飛べます)を紹介していますが、古墳時代中期に原野谷川(太田川の支流)沿いに比較的大型の前方後円墳を中心として複数基古墳が造られています。そうしたなかで径30mの円墳、春林院古墳は原野谷川を見下ろす台地の端にあります。説明板によれば1963年に発掘調査が行われ、葺石に覆われた二段築成の墳丘だったとのこと。川原石による葺石であれば現在の姿とはだいぶ違いそうですね。墳頂には鎌倉時代にも墓が造られ、そのために埋葬施設の粘土郭は破壊され正確な大きさはわかっていないようです。多くの古墳同様、陥没孔が観察できます。盗掘にもあったのか粘土郭からはなにも検出されず、その北側から鉄剣、やりかんな(木材を削る工具、槍の穂先に似ている)、鉄釘が出土しているそうです。興味深いのは墳頂から直径50㎝の穴に入れられた壺が出土していることです。なんのために埋められたのでしょうか。アクセスはJR掛川駅から私鉄の天竜浜名湖線に乗り換え細谷駅で下車、

駅の西にある吉岡交差点まで歩き(10分ほど)、北に400mほどで春林院です(途中に八王子神社あり)。かなり大きなお寺です(撮影2018517日)。PNG wadaokakofungun bunpuzu (kakegawashi)
にほんブログ村 歴史ブログ 考古学・原始・古墳時代へ
にほんブログ村